自宅に眠る 「たんすの肥やし」健康グッズは?
「毎日使うと買ったのに使ったところを見たことがない」(40代女性)と「たんすの肥やし」になった健康グッズは多い。その代表がダンベル。「重すぎて持ち上がらなくなった」(60代男性)などサイズ選びの間違いも多い。バランスボールは「ずり落ちてけがをした」(50代女性)など使い方を間違えるケースが目立つ。ぶら下がり健康器や自転車型トレーニングマシンなどは「重く置き場所に困る」(60代男性)がお蔵入りの理由だ。マッサージチェアや電気刺激で筋肉を鍛えるトレーニング機器は「思ったような効果が見られなかった」(40代女性)との声も。ダンベルは「ドアストッパー」や「漬物石」、ぶら下がり健康器はハンガー、物干しざおに変身。本来の使い方を見直してみてもいいのでは。

正しい方法で 無理はせずに
「コロナ太り」解消を目的としたお薦めの健康グッズは、縄跳びやけん玉、バランスボールなど極めて身近で手に入りやすいモノが多かった。
専門家の指摘で共通していたことが2点ある。どんな運動も決して無理をしないこと。「朝起きてすぐや食後の運動は心臓に負担がかかるのでNG。夕食、就寝時間を考えると午後4時ごろに体を動かすことが理想」(荒木邦子さん)。もう一つは「フォームや呼吸方法など正しいやり方を学び取り組む」(浅井義人さん)。バランスボールも座り方や姿勢など「正しいメソッドを覚えていなければ効果がない」(三浦豪太さん)。
三日坊主といわれるように毎日エクササイズを続けることは容易ではない。棚橋弘至さんは「自宅でできるトレーニングだからこそ、生活のルーティンに組み込んでしまおう」と話す。どんなトレーニングも諦めず続けることが大切だ。
マンションなど室内で縄跳びをする場合、下の階への騒音などが気になりがち。荒木さんは「縄に布を巻けば騒音や床に付く傷も気にならなくなる。タオルを使った『エア縄跳び』でもいい」。ちょっとした工夫を薦める。
■ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。自転車型トレーニングマシン、ゴムチューブ、踏み台の写真はアルインコ、ビリーズブートキャンプはLEAN BODY提供。ほかの写真は三浦秀行撮影。1、2、3、7位のモデルは宍戸真詩美。
■調査の方法 自粛生活が始まった4月、日経生活モニターに「家にある健康機器・グッズ」を調査。約260人からの回答をもとに33アイテムをリストアップ。専門家11人に「効果(筋力アップ、ストレス解消など)」「継続できる」「手軽さ」の観点から1~10位まで順位を付けてもらい、編集部で集計した。
■今週の専門家 ▽浅井義人(オムロンヘルスケア理学療法士)▽荒木邦子(早稲田大学スポーツ科学学術院非常勤講師)▽長田美恵子(タニタフィッツミー運動監修・健康運動指導士)▽加藤太一(セントラルスポーツパーソナルトレーナー)▽佐藤弘道(タレント・医学博士)▽白沢卓二(お茶の水健康長寿クリニック院長)▽棚橋弘至(プロレスラー)▽チャック・ウィルソン(スポーツインストラクター)▽なかやまきんに君(お笑いタレント)▽長谷川聖修(筑波大学体育系教授)▽三浦豪太(プロスキーヤー・医学博士)=敬称略、五十音順
(佐々木聖)
[NIKKEIプラス1 2020年6月6日付]