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コロナで営業も大転換 「足で稼ぐ」から脱却なるか

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NIKKEI STYLE

緊急事態宣言は全面解除されましたが、新型コロナウイルス感染拡大前の暮らしには当面、戻れないでしょう。人と人との接触機会を極力減らすなど感染予防が必須です。それは働き方にも及びます。対面機会の制限で特に影響を受けるのが営業です。顧客を積極的に訪問する「足で稼ぐ」従来スタイルは転換を迫られます。

積水ハウスは、対面しなくても家づくりの相談ができる「おうちで住まいづくり」サービスを5月に導入しました。営業職も在宅勤務に切り替え、モデルハウスも一時、閉鎖しました。そこで電話やウェブ会議システムなどを駆使し、顧客の相談に営業社員が答えます。

VR(仮想現実)ゴーグルを自宅に届け、建設事例やプランニング例をその場にいるかのように360度見回せる先端技術も採用しました。それでも業績への影響は否めません。「対面であれば反応を見ながら、提案のどこを気に入り、どこが不安かを察することもできましたが、反応が読み取れず、現場は苦労しています」(広報部)

対面を基本とする大手生命保険会社も苦慮しています。生保業界はGNP(義理、人情、プレゼント)が営業職の心得とされていました。その伝統的な手法が当面使えません。

明治安田生命保険は一時、対面営業を禁止し、タブレット型端末を使って、会わなくても顧客対応できるようにしました。しかし、この方式では既存客のフォローはできても新規顧客獲得は困難です。緊急事態宣言の解除で、顧客が望む場合には対面営業を解禁していますが、営業活動の先行きは読みづらくなっています。同社は今年度から始まる予定だった新規経営計画の始動を1年延期しました。

一般社団法人営業部女子課の会(東京)は4月に営業職の男女を対象にテレワークの実態調査を行いました。6割がリモート営業に「とても困っている」「困っている」と回答しました。「信頼関係を築きにくい」「アポイントメントが取りにくい」などが理由です。半面、88%は今後「リモート営業のニーズが増える」とみています。

画面越しでは熱意がなかなか伝わりません。同法人代表理事の太田彩子さんは「『とにかく頑張ります』といった従来型のスタイルは通用しません。論理的にしっかり話す力が重要です」と指摘します。ただ非対面営業はデメリットばかりではありません。移動時間が節約できるほか、夜の宴席や休日の接待ゴルフなども減ります。太田さんは「営業は長時間労働が常識でした。でも今後は残業が減り、働きやすくなると期待できる」と話しています。

太田彩子・一般社団法人営業部女子課の会代表理事「女性営業職に追い風」

人と人との接触が制限されるなかで、対面で信頼関係を築くことを重視してきた営業職は従来の手法が通用せず、苦戦必至です。ニューノーマル(新常態)にどう変革していけばよいのか。リモート営業の克服の仕方と今後の可能性を、一般社団法人営業部女子課の会代表理事の太田彩子さんに聞きました。

――顧客に足しげく通うことが営業の心得とされてきました。非対面が常態となる状況に営業は対応できるでしょうか。

「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために在宅勤務・テレワークが急きょ広がりました。何の準備もなく、強制的にリモート営業に切り替えざるを得なかった営業職も少なくありません。4月に営業職の男女315人を対象にアンケートを実施しました。『とても困っている』『困っている』が60%に上り、戸惑っている姿がうかがえます。一般的に営業の鉄則は『通ってナンボ』。特段用事がなくても『あいさつに来ました』と顧客を頻繁に表敬訪問しろと教わります。でも今は会うこと自体が感染リスク。対面を封じられたのですから、混乱するのも当然です」

「テレワークはコロナ以前も日本企業に徐々に広がってはいました。でも営業にはなじまないと、同じ会社の中で他部門では導入していても営業部門は対象外になるケースもありました。いわば営業職はほぼ全員がテレワーク初心者。使いこなすスキルがないまま、リモート営業への切り替えを求められました。足で稼ぐオールド営業スタイルになじんでいたベテラン社員ほど、変化に対応できず、苦慮しています」

――リモート営業は問題山積で、営業にやはり不向きなのでしょうか。

「決めつけは禁物です。フリー回答ではリモート営業の利点を強調する回答も目立ちました。例えば移動が必要なくなるので時間と交通費が節約できます。従来だと商談と商談の間に1時間くらいは移動時間を取っていました。午前9時にある会社を訪問するとして、次の訪問は午前11時、その次は午後1時といった具合です。1日に予定をどんなに詰め込んでも4社訪問できるかどうか。だけどオンライン商談なら、商談と商談の隙間時間を省け、1日に5社以上と商談できます。しかもこれまでなら出張を伴った遠方の顧客との商談を間に挟めます。実際、外出自粛下でも、こうして商談の件数を増やして、営業成績を伸ばした人もいました」

「オンライン商談の意外な効用も聞きました。訪問しても、いつもはなかなか会えない職位が上の方にウェブ会議システムだと会えるという現象です。どこにいても参加できるのでスケジュールが空いていれば気軽に参加してもらえるようです。担当者レベルでなく、契約の決定権者であるその上司と直接やり取りできたことで契約がスムーズに進んだ事例も聞きました」

――今は新型コロナ感染リスクがある非常事態。ワクチンが開発されるなどリスクが軽減すれば元の営業スタイルが復活するのでしょうか。

「調査では88%が『今後リモート営業(非対面の営業)のニーズは増えていく』と回答しています。IT(情報技術)スキルが追いつかないなど課題はありますが、先に挙げたメリットを営業も顧客も実感しました。新型コロナとの戦いは長期化しそうです。その間にリモート営業の良さがさらに浸透し、このまま定着するとみているようです」

「今後はリモートにふさわしい営業スキルが求められます。画面越しでも分かりやすい資料をつくる能力はその1つ。また、画面越しでは『とにかく頑張ります』といった熱意は伝わりません。相手の反応も読みづらく、当意即妙の営業トークも通用しません。伝えたいことを論理的にしっかり話すコミュニケーション能力が重要になります」

「とはいえ営業活動がすべてリモートに置き換わることはないとみます。例えば高額な契約はどこかで対面機会を持ち、信頼関係を築かないと商談は進めにくいでしょう。『とにかく足で稼げ』といったオール対面の営業は廃れるでしょうが、対面と非対面のそれぞれの良さを組み合わせたハイブリッド型営業が今後の主流になるはずです」

――営業スタイルの変化は働く人にどんな影響を及ぼすでしょうか?

「働き方改革が進むと期待できます。対面と義理人情を基本とする営業スタイルは長時間労働の温床でもありました。リモート営業で移動時間や訪問期間を減らせ、提案の実質重視に切り替われば効率的に働けます。夜の会食や休日のゴルフ接待も減るはず。残業削減が日本全体で叫ばれながらも、営業は蚊帳の外でした。それがようやく変わります」

「これら変革は特に女性営業職に追い風です。長時間労働を前提としていたため、家事・育児に時間を割かざるを得ない女性は営業に不向きとみられてきました。でも、いつどこからでも効率的に働けるリモート営業が主流になれば女性の時間制約も解消できます」

(編集委員 石塚由紀夫)

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