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持ち帰り1.7倍 サーティワンが生き残れた3つの理由

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日経クロストレンド

気温が上昇し、アイスクリームのおいしい季節になってきた。新型コロナウイルスの影響下でも、アイス専門店「B-Rサーティワンアイスクリーム」のテイクアウト商品は前年比1.7倍と売れている。海外発のアイス店が苦戦する中、日本で順調に店舗を増やしてきた同店の生き残り戦略を聞いた。

アイスクリーム市場は7年連続で拡大している。日本アイスクリーム協会によると、2018年度のアイスクリーム市場規模(メーカー出荷ベース)は前年比1.4%増の5186億円。夏の猛暑の影響や「冬アイス」の定着による通年型デザートとなったことなどを受け、11年度の4058億円から約1.3倍の規模になった。

ただ、海外チェーンのアイスクリーム専門店は苦戦が目立つ。かつて国内大手のアイスチェーンだった「デイリークイーン」は、04年3月限りで日本からの撤退を発表、その後自主営業していた国内最後の店舗も20年1月に閉店した。「ハーゲンダッツ」は13年4月に日本最後の店舗が閉店し、コンビニやスーパーなどでパッケージ商品に注力している。20年1月には、米プレミアムアイスクリーム「BEN&JERRY'S」(ベン&ジェリーズ)が日本事業から撤退した。

アイスチェーン店の約8割を占めるサーティワン

その中で、順調にフランチャイズ展開を拡大しているのが、B-Rサーティワンアイスクリーム(以下、サーティワン)だ。1974年に東京・目黒に1号店を構えて以降、順調に店舗を増やし、20年4月末時点で店舗数は1181店。日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、18年度のアイスクリームフランチャイズ店舗数は1396店で、単純計算するとサーティワンはそのうち80%以上を占めていることになる。

新型コロナ禍においても、非常事態宣言前は売れ行きが好調だったという。外出自粛などによって気分が落ち込む中、少しでも気分を上げるアイテムとして需要があるのだろう。非常事態宣言後は約8割の店舗が営業時間の短縮や休業を迫られたものの、営業を続けた店舗ではテイクアウト商品が好調だ。複数の味を家族で楽しめる「バラエティパック」などは20年4月に前年同期比で約1.7倍、アニメなどの人気キャラクターをあしらった「アイスクリームケーキ」は1.5倍の売れ行きを見せている。

なぜサーティワンは、日本に根付くことができたのだろうか。その理由は3つある。

1つ目が、フレーバーの豊富さだ。サーティワンは季節ごとに一部のフレーバーを入れ替え、常時32種類が店頭に並ぶ。限定フレーバーの中には、キャラクターとのコラボ商品や過去発売した商品の復刻版など人気を集める商品も多数。「店頭に並んだときの色のバランスや季節感を考えながら、本場米国の約1300種類あるレシピの中から選んでいる」(B-Rサーティワンアイスクリーム営業推進本部マーケティング部シニアマネージャーの橋本貴史氏)。こうすることで、顧客に飽きがこずリピーターが獲得できる。

レシピ通りのフレーバーにするものもあれば、日本版にアレンジして販売する場合もあるという。「甘すぎるものは甘味を抑えたり、日本にはあまりなじみのない食感などがあればあえてそのまま取り入れたりしている。1番人気のポッピングシャワーは、米国のレシピそのまま」(橋本氏)。

ポッピングシャワーは、口の中でパチパチはじけるキャンディーが特徴的なフレーバーだ。本場米国ではクッキー系が人気なのに対し、日本ではポッピングシャワーが断トツの人気を誇る。「ポッピングシャワーは、シェア率約10%。ここ十数年トップのシェア率だ」と同社営業推進本部マーケティング部長の若林翌氏は話す。日本にはあまりなじみのない感覚が、ヒットの理由だ。

「非日常の晴れ」がブランドとマッチ

2つ目は出店場所を、ショッピングセンター中心にしていることだ。同社は2000年以降、ショッピングセンターが多く建設されたため、その時代変化に合わせて、駅前や路面店への出店から切り替えて、ショッピングセンター内に店舗展開を拡大している。現在では7割がショッピングセンター内に出店している。「ショッピングセンターは、非日常の晴れのシーンをよくつくってくれる。そのシーンと、ご褒美感のあるアイスクリームがマッチするのだろう」(同社東日本営業本部東日本店舗開発部長の市川秀幸氏)と好調の理由を分析する。その一方で「時代はまた変わってきている。『非日常の晴れ』がブランドとマッチしていると思っていたが、最近は『日常のちょっとした晴れ』『普段の生活の小さな喜び』を鍵にした場所がポイントになるだろう」と市川氏は続ける。

3つ目がファンを育てるキャンペーンだ。オリジナルフレーバーを一般公募し、ノミネートされた10フレーバーから最優秀フレーバーを商品化する「31ニューフレーバーコンテスト」がそれだ。19年秋に3回目のコンテストを無料公式アプリ「31cLub」内で開催したところ、約19万2000件の応募があった。投票で最優秀フレーバーに選ばれた「クイーン オブ ナッツ ピスタチオ」は、20年3月より期間限定で発売された。

また、全国のサーティワンスタッフを対象にした「ドリーム・フレーバー・グランプリ」も実施。サーティワンを知り尽くしたストアスタッフが、オリジナルフレーバーを考案する企画だ。17年に実施、約1200店舗から637件の応募があり、その中から「ロイヤルスウィートミルクティー」と「ハピネス ウェディング」というフレーバーが生まれ、期間限定で発売された。

ファンやスタッフ参加型のキャンペーンを実施することで、当事者意識が生まれるのだろう。「(さまざまなキャンペーンを通して)ファンと一緒にブランドをつくっていきたい。楽しさを分かち合えれば」と若林氏は話す。

「アイス専門店」にこだわる理由

ハーゲンダッツのように店舗を閉店し、スーパーやコンビニなどカップ商品の販売にシフトする企業もある中、なぜ「アイス専門店」にこだわるのだろうか。一番の理由は「顧客に食べごろのアイスを食べてほしい」という願いからだ。

同社は99%がフランチャイズによる営業だ。フランチャイズのパートナーと一緒にブランドを育てていくという方針のため、コンビニなどでは戦わず専門店を貫くのだという。「今後もブランドとの接点を増やし、身近にサーティワンを感じてもらえるようにする」(若林氏)。

また専門店だからこそ、アイスクリームの中にアメやナッツのような大きな具材を入れることができるという。卸売りで流通させるカップ商品の中には、大きな具材を入れられないことが多い。「大きいアメがゴロッと入ることもあれば、小さいアメがたくさん入ることもある。それはスプーンですくって提供する、専門店ならではの楽しみ方だ」と若林氏は話す。

緊急事態宣言の解除を受け、徐々に営業を再開している。テイクアウトやデリバリーを行っている店舗もある。自粛疲れを癒やすちょっとした「ご褒美」が必要な時期かもしれない。

(日経クロストレンド 松野紗梨)

[日経クロストレンド 2020年5月28日の記事を再構成]

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