検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

ライブ体験変える5G マルチアングルやVRで臨場感

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

次世代の通信規格「5G(ファイブジー)」サービスが日本でもスタートした。NTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクの携帯キャリア3社が、2020年3月25日から順次開始。新規参入を果たした携帯キャリアサービス・楽天モバイルも6月から開始する予定だ。実際にサービスが始まったことで、5Gという単語が改めて世間から大きな注目を集めている。

通信だけでなく、ゲームや動画配信、音楽再生など、今や最も重要なエンタテインメント・プラットフォームの1つとなったスマートフォンに関わる規格だけに、5Gで何が変わるのか、気になっている人も多いだろう。

第5世代のケータイ通信規格

そもそも5Gは「5th Generation」の略称だ。第5世代のモバイル通信規格を示す。携帯電話の通信規格は約10年ごとに新規格への入れ替えが進められており、現在主流の「4G」に代わる通信方式として、5Gへの移行が進められようとしている。海外の一部の国では19年からサービスが始まっており、日本でも20年に商用サービスが開始された。

5Gが注目を集めているのは、単なる携帯電話通信にとどまらないポテンシャルを有しているからだ。5Gが普及することで、自動運転の実現や遠隔手術、都市のスマート化などが実現すると考えられている。社会全体を支えるインフラとなる可能性を秘めているのだ。

従来の規格に比べて、5Gは何が優れているのか。

『60分でわかる! 5Gビジネス 最前線』(技術評論社)などの著書もある携帯電話・モバイル専門ライターの佐野正弘氏によると、5Gの特徴は大きく分けて「高速大容量通信」「超低遅延」「多数同時接続」の3点だという。

一般的に知られているのは、4Gより10~20倍通信速度が速いという高速大容量通信だろう。これにより、2時間の映像を数秒でダウンロードできるようになるといわれている。外出先でも映画1本がすぐにダウンロードできるわけだ。

ただ佐野氏によると、5Gが注目を集めるのは、他の2点によるところが大きいという。

「ネットワークの低遅延は、自動運転や遠隔の手術を実現させる技術として注目されています。多数同時接続が普及することで都市のスマート化や工場のスマート化が実現に近づくと考えられており、こちらもさまざまな業界から期待が寄せられています」

大容量通信が配信を変える

5Gはエンタテインメントにも影響を及ぼすと考えられている。

ここでも一番分かりやすいのが高速大容量通信だろう。Wi-Fiのない場所でも、データ量の大きい動画コンテンツを気軽に楽しめるようになる。

「現在、通信会社が5Gで取り組んでいるのは、データ量が大きくなる『VR(仮想現実)』や『AR(拡張現実)』などのコンテンツですね」(佐野氏)

3月9日、神奈川・カルッツかわさきで開催された高城れに(ももいろクローバーZ)のライブ『高城の大感さ祭』。新型コロナの影響を受け、ソロコンを延期して無人で行われたこのライブを、VR映像で中継したのが「REALIVE360」。4K/8Kの高画質映像でVR配信を行うサービスだが、現在はWi-Fi環境での使用を推奨している。しかし大容量通信が可能な5Gなら、外出先などでも気軽に楽しめるようになる。

AKB48は3月18日発売の57枚目シングル『失恋、ありがとう』でソフトバンクと共同でミュージックビデオの制作を行った。ARの技術を使い、35人のメンバーそれぞれとその場にいるかのような写真や動画が撮影できるなどのコンテンツを展開したが、その背景には5Gをユーザーに具体的にイメージしてもらいたいという狙いがあった。

「今まで実現できなかった体験を打ち出すことで、イメージしづらい5Gというキーワードを一般ユーザーに分かりやすい形でお伝えできればと考えました。その上で、大きく3つの取り組みを実現しました。それが『VRで臨場感のある"超神席"体験 』『ARで高品質アバターをお手元に』『18人全員主役のミュージックビデオ』です。どれも5Gの大容量通信が前提のコンテンツです」(ソフトバンク広報の阿部裕介氏)

5G活用の新型ライブも

前述の佐野氏が注目するのは「ネットワークの低遅延」を生かしたコンテンツだ。

「17年11月、NTTドコモが打ち出したプロジェクト・FUTURE-EXPERIMENTではPerfumeの3人が東京、ロンドン、ニューヨークとそれぞれ別の場所にいながら中継でつなぎパフォーマンスを披露するという実証実験を行いましたが、こういった企画は、5Gならではのイベント。このような試みも、今後5Gが発展するにつれ、増えていくことでしょう」

4月18日に日本でも配信された特別番組『One World: Together at Home』。新型コロナウイルス感染症との闘いを支援するグローバル・ストリーミング・コンサートだが、参加したザ・ローリング・ストーンズの4人は、それぞれ別のカメラの前で演奏した。こういった試みも、低遅延の5Gが普及すればリアルタイムで行うことができるわけだ。

特に現在は新型コロナウイルスの影響で、ライブの開催が難しくなっている。REALIVE360を手掛ける西日本電信電話(NTT西日本)の笹原貴彦氏は「これまで以上にライブ配信事業が注目されている」と感じているという。「アーティストが直接ファンの皆さまにライブを届けられるプラットフォームの役割にREALIVE360がなれればと思っています。その上で5G回線の普及には大きく期待しています」

ライブ会場でスマホを活用

一方で、5Gは配信だけでなく、ライブそのモノを変える可能性を秘める。例えば会場でスマホを使い、様々な角度から楽しむマルチアングルだ。「マルチアングルも扱うデータが大きいので、5Gの長所を生かせます」(佐野氏)

18年6月、KDDIは沖縄セルラースタジアムで開催されたプロ野球、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスの試合で、目の前で打席に入るプロ野球選手を好きな角度から楽しむ実証実験を行った。スタジアムに設置した16台のビデオカメラを使い、リアルタイムに合成した映像を5Gで観客席のタブレット端末に配信したのだ。観戦者は端末のスクロール操作で、自分の好きな視点からプレーを見ることができた。

「こういった機能はライブパフォーマンスでも生かせるのではという期待があります」(佐野氏)

5Gにはスマホなどの通信に用いられるパブリック5Gと、特定の施設などエリアに特化したローカル5Gがある。今回、ライブ配信とeスポーツ運営という実際にイベント運営に関わる人たちに、5Gに期待することを取材したが、両者が挙げたのがローカル5Gを利用したマルチアングルの可能性だった。ライブ会場で観客のスマホに様々な映像をリアルタイムで流すことで、新しい楽しみ方を生み出すというものだ。

例えばeスポーツ。eスポーツには個人戦とチーム戦の2種類があるが、チーム戦の場合、プレーヤーに"推し"がいるというファンも少なくない。5Gが普及すれば、会場の雰囲気を楽しみながら、手元のスマホで好きなプレーヤーのゲームプレーを追いかけることもできる。

アーティストたちと連携した企画も動き始めている。KDDIは、5Gを活用した「au 5G LIVE」を準備中。第1弾としてSEKAI NO OWARIとコラボレーションしたイベントを20年7月に開催する予定だ(20年3月23日時点)。5Gが常設されたライブ会場をはじめ、サテライト会場、映像配信と5Gを駆使しながらライブ体験を拡張する試みを行うという。

「スマホで動画」は加速

5Gサービスがスタートしたことで、ニュースなどで華やかな未来像が語られることが増えたが、佐野氏によると「それらがすぐに楽しめるわけではない」という。「5Gは韓国が最も進んでいるのですが、実際に実現しているコンテンツは他の国とほぼ同じ。5Gは技術が先行して、それをどう生かすかという取り組みはこれからというのが実状です」

インフラ整備もこれからだ。「現在の5Gは、4Gのインフラの中に5Gの基地局を置いて高速データ通信を実現するという仕組みです。この仕組みではどうしても4Gの性能に足を引っ張られて、低遅延などの5Gならではの機能を実現するのが難しいのです」

現時点ではエリアも限定されている。佐野氏も最新の5G対応のスマホをテストする場合、5Gの環境がある東京スカイツリーなどへ足を運んでいるという。

そもそも対応する機種もまだ限定されているのが実状だ。人気の高いiPhoneもまだ5Gには対応していない。

「07年に始まった4Gも、最初はNTTドコモで通信速度が下り最大37.5Mbpsほどでした。しかし、現在は1Gbpsまで上がっています。5Gはあくまで10年くらい先を見越して発展していく技術と考えたほうがいいでしょう」

ただ、5Gが始まることで、スマホで動画を視聴するという習慣は確実に広がっていくと佐野氏は見ている。

「理由はスマホ料金の変化です。5Gの普及を前提に、携帯各社は使い放題の大容量プランを前面に打ち出すようになりました。使い放題を契約した人は、ギガが減ることを心配せずに、外で動画を楽しむことができます。5G本来の性能はすぐには享受できなくても、スマホで動画を視聴する文化はさらに加速していくことでしょう」

(ライター 中山洋平)

[日経エンタテインメント! 2020年6月号の記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_