キープか断捨離か 予測不能のコロナ相場、どう臨む?コロナの先の家計シナリオ ファイナンシャルプランナー 中里邦宏

2020/6/8

そこで、売却すべきかどうかの判断を下すには、改めてそもそも自分はどのような目的でどれくらいの期間の運用を予定していたのか、自分はどの程度の資産残高の上げ下げ(リスク)に耐えられるのかを判断材料にする必要があります。

注目業種の銘柄はすでに値上がり

一方、「今は買ったほうがいいのか?」「今こそ資産運用の始めどきか?」といった質問も少なくありません。これに対しても基本的な答えは、前述までと同じです。

また、今後のいわゆる「アフター・コロナ」の世界で買っておくべき業種の質問を受けることもあります。例えば「テレワークの急激な広まりで関連業種は値上がりする?」などです。しかし、誰でもが思いつくような注目業種は往々にしてすでに値上がりしていることもあります。例えば、自粛期間中のリモートツールなどを提供していたマイクロソフト社など米国のIT関連企業が多く上場する「ナスダック総合指数」は、すでにそうした期待を織り込んで、年始の価格を優に超えてきています。

運用資産の「棚卸し」をする時期

将来を予測するのもまた資産運用の醍醐味ですが、未来の相場がどうなるのかは誰であっても完璧に予測できません。そうであれば、どう相場が動いても対応できるような準備を整えておくことこそが大切です。

それには、あらかじめどうなったときに運用の出口(売却)とするのかを想定しておくのです。しかも、上がった場合だけを想定せず、どれくらい下がったら損切りして売却するか、あるいは回復まで待てる期間があるのかを想定しておくべきです。

積み立て投資の場合は下がったときにも運用を続けることが大切ですが、一括購入の運用ではよりシビアに考える必要があります。

全世界的なコロナの影響を受けて、今後、誰も見たことがない景色を見ていくことになります。そういった時期だからこそ、あらためて自分の運用資産の棚卸しを行ない、持っておくと決めたものは目の前の値動きに一喜一憂せず持ち続け、断捨離すべきものはしておく時期といえるでしょう。

中里邦宏
ファイナンシャルプランナー(CFP)、マネーディアセオリー株式会社取締役副社長。上場メーカーで設計担当後2004年にFP事務所を開業、16年に法人設立。顧客が納得するまでシミュレーションを繰り返すライフプラン相談を中心に、資産運用教育、ライフプランツールのプランニング、ロジック提供なども手がける。日本証券アナリスト協会検定会員、1級FP技能士、DCプランナー1級。

緊急事態宣言が解除され、「ニューノーマル」「新常態」とも呼ばれる新しい生活様式が広がりつつあります。コロナで一変した家計の収入や支出、それに伴うお金のやりくりをどうすればよいかも喫緊の課題です。連載「コロナの先の家計シナリオ」は専門家がコロナ後のお金にまつわる動向を先読みし、ヒントを与えます。

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