飲食店支援のアイデア 場所・時間ずらし雰囲気届ける第6回 アイデア分析編(1)

閑散とする飲食店街(4月2日、東京都港区)
閑散とする飲食店街(4月2日、東京都港区)

この連載はここまで「プロが教えるアイデア練習帳」(日経文庫)から抜粋した記事をお届けしてきました。この本が2020年2月に発刊された後、私たちの生活は新型コロナウイルスの影響で大きく変わろうとしています。本の中で練習問題として出題した内容も、今の環境にそぐわないものもあります。

そこで、ここから先のこの連載は、今まさに世の中で話題になっているアイデアを題材に使いながら、そのアイデアがどのように生まれたのかを分析する、「アイデア分析編」へと進化させたいと思います。

私たちの行動や習慣が大きく制限される中で、様々な課題やニーズが新たに生まれています。これほどまでに、新しいアイデアの発想が求められている時代はないのかもしれません。しかし私は、良いアイデアの本質は、コロナ前もコロナ後も変わらないと思っています。目先の利益にとらわれず、魅力的なアイデアを生み出すための秘訣とは何か。具体的なアイデアを解体していきながら、そのヒントを探っていきたいと思います。

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飲食店を支援するアイデアとは

アイデア分析編の1回目は、飲食店支援のアイデアです。

飲食店業界は新型コロナウイルスの影響を最も多く受けた業界のうちのひとつです。これから徐々に通常営業に戻っていくお店が多いと思いますが、自粛期間に様々なアイデアが生まれ、そして実行されてきました。

例えば、お店の料理を自宅で楽しめるためのテークアウトサービスを始めるお店が増えました。また、デリバリーサービスを活用して、お店の周囲に住む人たちに宅配を行うお店も増えました。

これらは、コロナの前から行っていたお店も多いため、比較的すぐに実行されたアイデアです。ただし、これらのアイデアにはいくつかの難点があります。

例えば、様々なコストがかかる点です。テークアウトのための容器は、大量に購入しなければなりません。また、デリバリーサービスを使用すれば、当然手数料がかかります。

また、お客さんの視点で考えると、自宅近くのお店は支援できますが、会社の近くなど、自宅から遠く離れたお店の支援には使えませんでした。

では、テークアウトやデリバリー以外に、飲食店を支援するためのアイデアとして、どのようなものが生まれたのでしょうか。

ここでは、2つのアイデアを紹介したいと思います。

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