――これからどのような変化が予想されますか。

「今後を考えるにあたり、科学的観点と社会的観点を分けた方がいいのではないでしょうか。緊急事態宣言が解除され、『もう平常の生活に戻ってもよいのではないか』との社会的な意識の変化を感じています。社会として経済再開にシフトした方が人々の心は安定するのでしょうが、コロナウイルスはまだ存在しています。科学現象としてはまだ油断できない状況にあり、そこは分けて考えるべきではないでしょうか」

生き残った会社がさらに強くなる

「経済的にも平時ではない状況が続いています。社会のすべてが劇的に変わるとは思いませんが、一部が変わることは避けられないでしょう。大きくは2つあります。1つは体力の乏しい会社が淘汰されるということです。淘汰された会社の顧客は生き残った会社の顧客になります。結局、生き残った会社はさらに強くなるのです。おそらく寡占化が進んでいくのだと予想しています」

「私から言えるのは『とにかく頑張って生き残りましょう。生き残れば次の展開がみえてきます』ということでしょうか。生き残って救済する側に回ることができれば飛躍を遂げられるかもしれません」

「もう1つは、世の中の仕組みや考え方、生活様式が変わってきているため、いろいろなところで『地殻変動』が起こっているということです。新しい企業、新しいサービス、新しい商品が生まれてきやすい素地ができてきているように思います。ですので、スタートアップ企業の動きに注目したいところです。どのような分野が有望なのかは分かりませんが、今までにない業態の会社が現れてくるかもしれません。私は希望を持っています」

コロナ禍では「借入金に頼って無理をして事業を拡大していたとところが打撃を受けている印象」と語る

――後継者不足など中小企業の事業承継への影響をどのようにみていますか。

「問題が深刻なことは間違いありません。ひとつ言えるのは、新型コロナは所与のものとして考えるしかないということです。足元の状況だけにとらわれるのではなく、3年先、5年先、10年先というスパンで会社をどうすべきかを考える必要があります。なぜ事業承継を考えなくてはならないかというと、法人は永遠ですが、自然人たる経営者には寿命があるからです。誰一人として自分がいつ亡くなるかは分かりません。分からないものを分かろうとすることは、多くの場合、あまり生産的なことではありません。ただ、未知のことが起こったとしても大丈夫なように備えをしておくことはできます」

「具体的には、経営者がまず自分で決心することです。事業承継に関してはあまり対策を講じていない経営者も多いのが実態です。専門家を入れて準備をしているのは少数派のように思います。事業承継の本質は次世代の経営者と次世代の株主を決めることです。これほど重要な経営課題はないはずなのに、緊急性が乏しいために先送りされてしまいます。未知の未来への備えをするためには、まず『決心する』ことが出発点になります」

(平片均也)

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