まずは、テンション上げる1点を投入

まずは20代から30代向けのブランドが集まった2階に。そごう・西武のバイヤーが選んだ商品が並ぶ「キートゥースタイル」コーナーに向かった。

「テンションが上がる服を選んでみて」と西さん。あらら。てっきり2人に似合う服を選んでコーディネートすると思っていたのだが……。その理由について西さんは「毎日、何か1つでもいいから、自分自身がテンションの上がる物を身につけてほしいから」と語る。「自分の気分がよくないと、仕事のテンションも上がらないからね」

西ゆり子さん(中央)は「シンプルすぎないコーディネート」をアドバイス

売り場に目を転じると、並んでいる商品はTシャツひとつとっても、英エリザベス女王の顔がデコられているなど、「一点物が多く、他の人とはかぶらない個性的な商品」(そごう千葉店)ばかりだ。シンプル派の2人は「これまで目を向けなかった洋服ばかり」と戸惑いながらも、「これ、かわいい!」と宝金さんが紺地に小さなリボンが前身ごろいっぱいについたニットをチョイス。前田さんはヒダの部分が朱赤のベージュ地のプリーツスカートを手に取った。

紺とベージュ。ベーシックな色味だが、西さんは「リボンがあしらわれていたり、鮮やかな色が入っていたりすることで、『個性』が加わります」。逆に個性がないシンプルすぎる装いだと「仕事も人生もつまらなくなってしまうわよ」と忠告する。

ここで西さんから最初のルールが提示された。「個性は1カ所だけ」。前田さんの場合ならスカートのデザイン性が高いので、上半身はシンプルにするのがポイントだという。

西さんマジックで、変身!

前田さんと宝金さんがそれぞれに選んだ服を、いよいよ西さんがコーディネートする番だ。3人は少し年齢が上の層をターゲットにしたオリジナル売り場「モードプラス」にも立ち寄り、吟味した。

「これ、似合いますか」(宝金さん)「白いパンツは無難すぎてダメよ」(西さん)。取っかえ引っかえ洋服を合わせながら、西さんが時折ダメ出しをする。よりおしゃれ度が高くなっていく組み合わせを鏡越しに見ながら、最初は不安そうだった2人の声の調子や表情が明るくなっていくのが、はっきりとわかった。「スタイリングが上手になるためのコツは、スタイリングを楽しむこと」と語る西さん。「2人には十分に、その素質がある!」と背中を押した。

【前田さんのコーデ】

前田さんが選んだスカートに、西さんは大きなシルエットの白いシャツを合わせた。アウラのシャツ(2万4000円、税別、以下同)、ルシェルブルーのスカート(2万3000円)、ミハマのパンプス(2万円)
バッグはライダース風ジャケットの色に合わせて。ビーティングハートのジャケット(2万4000円)、アスペジのブラウス(6万3000円)、サザビーのカバン(1万6800円)、スカートは前出と同じ、サンニコラスのピアス・リトルベツレヘム/ゴールド(1万8000円)

個性的なスカートに合わせたのは、シンプルだが大きなシルエットの白のシャツ。「個性的なものは1点だけ」というルールに加え、スカートに長さがある分、上半身はゆったりとさせてバランスをとった。金融関係という「お堅い」業界だけにジャケットを着ることも多い。そのときのコーディネートとして、メンズっぽいライダース風のジャケットを選び、インナーは花柄のブラウスを合わせた。

バッグは前田さんが「スカートのポイントになっている朱赤にあわせたほうがいいですか」と聞くと、西さんは「ポイントは1カ所で大丈夫。狙いすぎている感じになる」と薦めず、ジャケットの色と同じ黒にした。

【宝金さんのコーデ】

紺色のリボン付きニットに合わせたのは、ラベンダー色のプリーツのロングスカート。「この色ですか」と驚く宝金さんだが、はいてみると女っぷりが上がった印象だ。西さんによると、ラベンダーは「大人のピンク」として使える色で、「紺色にも合い、ニットのリボンの中にもピンク色が入っているので統一感もでる」。

「白いボトムスを合わせると、シンプルになりすぎる」と西さん(右)は宝金さんにアドバイスする

バッグは全体を引き締める効果が期待できるとして、前田さんとは逆に赤を選んだ。ただ「サイズが大きいと幼稚にみえるので、小ぶりなサイズにするように」とアドバイスする。足元はスニーカー。最近、オフィスファッションでも定番になりつつあり、抵抗なく取り入れることができそうだ。

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「新しい仕事服様式」 ここに注意