とことんウザがられるように演じた 黒島結菜さん
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、連続ドラマの放送が相次いで延期となるなか、テレビ東京系で「行列の女神~らーめん才遊記~」(毎週月曜 午後10時放送)が放送されています。行列の絶えない人気ラーメン店のカリスマ店主、芹沢達美(鈴木京香)が率いるフードコンサルタント会社「清流企画」が、奇抜なアイデアと計算された手法で苦境にあえぐ街のラーメン店を次々に繁盛店へと導いていく物語。清流企画の新入社員、汐見ゆとり役を演じる黒島結菜さんはとことんウザがられるようにしたと話します。
「鈴木京香さん演じる芹沢社長と私が演じるゆとりの、ちぐはぐなバランスがこの作品の魅力だと思います」と話す黒島さん。原作マンガ「らーめん才遊記」(原作・久部緑郎、作画・河合単)の芹沢社長はスキンヘッドの個性的なキャラクター。鈴木京香さんが演じることで外見のイメージはガラッと変わったが、毒舌やアクの強さは健在だ。一方のゆとりは、忖度(そんたく)なく思ったことを口にしてしまう天然キャラ。芹沢はそんなゆとりにいらだちながらも、才能を認め、一人前のフードコンサルタントへと指導していく。「(ゆとりは)ウザがられるキャラクターなので、とことんウザがられるために、とぼけたり、距離を詰めたり、去り際に顔を残してみたりしました」(黒島さん)
ゆとりは半年前までラーメンを食べたことがなかったという「ラーメンの素人」だが、幼い頃から料理研究家の母の英才教育を受け、卓越した舌と料理の腕を持つという設定。自身の料理の腕について尋ねると、「簡単な自炊はしていましたが、ゆとりのような才能はないのでうらやましい。調理シーンの撮影はどう見せたら本当に切ってるように見えるのかが難しく、本物の包丁を使うときは、万一のことがあるので代役でした」。
周りにも自分にも厳しく、クールで毒舌な芹沢の言動は時に非情にもみえる。ゆとりはそんな芹沢を「ゲバゲバ」と評して反発することも。実際こんな人が上司だったら? 「ゆとりのいうゲバゲバなところもあるけれど、私だったら反発せず頑張って耐えます(笑)」
週替わりで登場する、おいしそうなラーメンも見どころ。「どれも本当においしいんです! なかでも1話に登場したもやしめんの素朴な味が忘れられません。また食べたいです」。放送終了後はラーメンを食べるのがはばかられる時間帯だが……。
この自粛期間中、黒島さんは自宅で穏やかに過ごしていたそう。戦前から戦後を通じて活躍した女優、高峰秀子さんの著作を読み、その姿勢に感銘を受けたとか。「この仕事をしていると、他人にやってもらうことが当たり前になってしまうけれど、高峰さんは『自分のことは自分でする』とありました。私のような凡人には難しいけれど、(女優を続けるうえで)高峰さんのような気持ちでやっていきたいと思いました」
ドラマの放送は残りあと2回。「ゆとりは相変わらずですが、芹沢社長の過去が明らかになってますます面白くなってきます。おいしそうなラーメンも楽しんでもらえたらうれしいです!」
1997年3月15日沖縄県生まれ。2013年女優デビュー。
「時をかける少女」(日本テレビ)「アシガール」「いだてん」「スカーレット」(NHK総合)「死役所」(テレビ東京)に出演。
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