現金を生み出したか リモートワークが示す仕事の価値20代から考える出世戦略(85)

写真はイメージ =PIXTA
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出社しなくてもできる作業、わざわざ集まらなくてもよい会議、そもそもやる必要がなかった仕事などが明らかになりつつある中、人知れず不安感にかられる人が増えています。それは自分の価値を示せないことへの不安です。給与や昇進だけでなく、雇用そのものへの不安にもつながっています。

これから明らかになる仕事の価値

いわゆる新型コロナ感染症、COVID-19に対抗するためのソーシャル・ディスタンス確保の流れは、働き方を大きく変えました。夏に向けて一旦の終息が見込まれる中で再び以前に近い働き方に戻ると思われますが、それでも見えてしまったものがあります。

それは日々行われている仕事の価値です。

架空の篠原さん、40代会社員を想定してみましょう。

毎朝午前6時すぎには家を出る篠原さんは、満員電車に揺られ、8時前には会社に到着します。というのも、午前中だけで2時間×2本の会議に出席しなければいけないから。

10人以上の参加者に配られた多くの資料を読み込み、自分なりの意見や質問もしていればもう昼食の時間です。コンビニで買った弁当を開きながら机でメールをチェックし、午後にはいくつもの社内向け提出書類を作成します。

夕方には戻ってきた営業メンバーとの打ち合わせをしますが、気が付けば就業時間を超えてしまっています。そこからようやく自分の仕事に打ち込んでいると、あっという間に午後9時前になっていて、あわてて会社を出ます。

毎日大変だけれども、やりがいもあって充実している。そんな働き方をしていた篠原さんですが、リモートワークになったとたん、戸惑いを隠せなくなりました。

出退勤の移動時間がなくなったので、朝6時には会社のノートPCを開きます。そして今までは昼にしかできなかったメールチェックをしてみて、返信もしっかり丁寧におこなってみました。

朝9時からは会議に出席する予定でした。しかしノートPC越しのWEB会議に10人を超えた参加者がいるとまとまりがつかないことがわかりました。そこでメンバーが絞り込まれたのですが、たまたま篠原さんはその日の会議には呼ばれませんでした。

だから午前中にはこれまでの会議資料などを読み込んでみました。昼は自宅なので昨日の夕食の残りで軽く済ませます。

午後には社内向けの提出物を作成することが多かったのですが、全部メールベースでよいことになりました。捺印も不要なのですぐに終わってしまいました。

営業社員も外出せずにリモートで営業をしているので、進捗が営業管理ツールにタイムリーに書き込まれていきます。少しWEB会議を提案してみましたが、5分ほど話して、あとは営業管理ツールを見ておくということになりました。

気が付けば終業時間よりずいぶん前で、前から温めていた企画を練りこむのにちょうどよいのですが、自宅には資料や参考書籍がありません。ついつい気分が乗らず、定時にはPCからログアウトしました。

最近CMで話題になっているビールを開けて息つく篠原さんは、余裕ができた生活に対して喜びを感じる一方、不安も感じてしまいます。

さて、あなたは篠原さんの不安を解消するために、どんな言葉をかけてあげられるでしょう。

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