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1階入り口のメインの平台に3冊が並ぶのは壮観だ(八重洲ブックセンター本店)

1階入り口のメインの平台に3冊が並ぶのは壮観だ(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。訪れたのは緊急事態宣言が全面的に解除された翌日の26日。同店は宣言発令中も平日は時短営業していたこともあり、売り上げの変化でいうと、むしろ4月より減っているという。そんな中、店頭をにぎわせていたのは、カルロス・ゴーン被告の国外逃亡という衝撃的な幕切れで終わった事件の全容に迫った3冊のノンフィクションだった。

日仏の記者、元特捜検事…性格違う3冊

その3冊は朝日新聞取材班『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相』(幻冬舎)。レジス・アルノー、ヤン・ルソー『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(林昌宏訳、東洋経済新報社)、郷原信郎『「深層」カルロス・ゴーンとの対話』(小学館)。日本の新聞社の取材班がその成果をまとめたもの、在日フランス人記者2人の共著、元特捜検事の弁護士の著作とそれぞれ性格の違う本だが、ゴーン事件とは何だったのかを探り、考察するという点は共通する。4月から5月にかけて相次いで発売された。

先週のビジネス書ランキング7位と3冊の中で最も売れていたのは、最初にあげた『ゴーンショック』。新聞社の取材班による王道のノンフィクションという趣で、事件の流れが自社の取材プロセスと重ね合わせて語られ、東京地検特捜部の捜査の動きや特捜部の事件の見立てがよくわかる。

逮捕に始まり、立件への動き、日産の経営のその後の展開から同被告の国外逃亡までの流れが4部構成で描かれているが、ビジネスパーソンにとっての読みどころは「独裁の系譜」と題された第2部だろう。日産自動車の歴史に焦点を当て、創業者の鮎川義介、日産の労組のトップとして四半世紀にわたって君臨、経営に対しても大きな影響力を持った塩路一郎らに連ねる形でゴーン被告の経営を語る。企業統治とはどうあるべきなのか、考えさせられる内容だ。

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