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カフェとビストロを併せ持つベーカリー 東京・渋谷

2020/6/8
「塩ブラン」はかすかな塩味が小麦の甘みを力強くひきたてている
「塩ブラン」はかすかな塩味が小麦の甘みを力強くひきたてている

JR渋谷駅から10分ほど歩いた路地。「TOCCA(トッカ)」「MOR(モア)」など海外の高級フレグランス商品を多く扱う株式会社グローバル プロダクト プランニング(GPP)が2018年9月、渋谷の奥に位置する南平台町にベーカリー「7clover(セブンクローバー)」をオープンして話題になり、その1カ月後、モーニング・カフェに加えビストロ営業も開始した。

Summary
1.ベーカリー、カフェ、ビストロという3つの顔を併せ持つ店
2.腕をふるうのは新進気鋭の料理人・池田亮太さん
3.素材を生かした多彩なパンも魅力的

同店の大きな特色はベーカリー、カフェ、ビストロという3つの顔を併せ持っていること。朝7時半から11時まではベーカリーの焼きたてパンが味わえるモーニングセットを、11時半からはデリスタイルのランチを、18時からはビストロ料理を提供している。

ビストロ料理を組み立てるのは日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35 2016」にて「ブロンズエッグ(一次審査通過者)」に入賞するなど、その活躍が注目されている若手料理人・池田亮太さん。

料理が好きで自然と料理人を目指していた池田さん。そんなある時、当時働いていたレストランの契約農家に紹介された長野県の小さなレストランを訪れたことで、料理観が一変する。

「本当に何もない田舎町で、レストランとは思えないような質素な建物でしたが、オーナーシェフはなんと『食の革命家』と呼ばれているアリス・ ウォータースがアメリカ・カリフォルニアに創業した伝説的なオーガニック・レストラン『シェ・パニーズ』で働いていた日本人のシェフでした」(池田さん)

彼の料理を味わって、池田さんはさらにショックを受ける。究極にシンプルな調理法なのに、食材の奥深い味わいを見事に引き出した、今まで味わったことのない衝撃的なおいしさだったからだ。

「帰りの車の中で、『自分の料理はこれでいいのか』とずっと自分に問いかけていたことを、今でもおぼえています」(池田さん)

そんな新進気鋭の池田さんの料理が堪能できるのが、ビストロタイムのディナー。

ビストロタイムのディナーコースの一部

アラカルトと、2980円から数種類のおまかせコースがあり、2980円のコースでも前菜2品とメイン1品、デザート、ドリンクという充実の内容だ。写真は取材当日の2980円コースの一部。

前菜1品目は低温調理で甘みを引き出したタマネギをムースに仕上げた「タマネギのムースとずわい蟹(ガニ)、塩イクラ」。なめらかな食感にうっとりしていると、タマネギの鮮烈な甘みが口いっぱいに炸裂(さくれつ)する。

2品目は「イトヨリの昆布締め」。雪のようなトッピングは「マルトセック」(油を固形にする働きのあるタピオカ由来パウダー)を使ってユズオイルをふわふわの粉雪状にしたもの。

粉状になったユズオイルは口の中で瞬時に溶け、その瞬間にユズの香りが華やかに広がる。上に散らしているユズの皮といっしょに口に入れると、うま味、香り、ふんわりした食感が重なり、口中でハーモニーをかなでるよう。

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