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避難所に「3密」リスク 親戚や知人宅も選択肢に

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスへの警戒が続く中、日本列島は梅雨を迎え始めました。豪雨や台風の際に逃げ込む避難所は「3密」(密閉、密集、密接)になりやすく、避難する人をできるだけ分散させようと自治体は避難のあり方の見直しを進めています。感染症と自然災害が重なる複合災害への備えも、新しい様式が求められています。

気象庁の長期予報によると、今年の夏は気温が高めです。近年は毎年のように各地で豪雨や台風の被害が発生し、地震が起きている地域もあります。コロナ下で自然災害への備えを急ぐ必要があります。

防災を担当する内閣府は4月、避難所の運営を見直すよう自治体に通知しました。ポイントは「3密」を避けるため(1)できるだけ多くの避難所を確保する(2)親戚や知人宅への避難を検討する(3)ホテルや旅館を避難所に活用する――などです。感染の疑いのある人は専用のスペースを設けるよう求めています。

コロナへの警戒が続く中では防災訓練は難しい面があります。福島市は5月16日、約190人が参加してコロナ下での豪雨災害を想定した防災訓練を実施しました。避難所の入り口で検温、問診をし、屋内にはテントを張って社会的距離をとる初めての感染症対応の訓練です。

検温、問診の実施で入り口に行列ができましたが、大雨の中で外で待ってもらうわけにはいきません。収容人数は通常の半分ほどになり、担当者は「避難所の数を増やす必要があるが、施設を用意するのは簡単ではない」と課題を指摘します。

多くの自治体は避難所での1人当たりの居住スペースを通常、畳1畳より一回り広い約2平方メートルにしています。一方、国際的な人道団体スフィアは最低基準として1人3.5平方メートル、寒冷地では4.5平方メートルを提唱しています。感染症対策で社会的距離を確保するため、2倍の4平方メートルほどに広げる自治体が増えてきました。

防災に関係する58学会でつくる防災学術連携体の米田雅子代表幹事は「感染の疑いのある人には、避難所になっている体育館とは別の建物にある教室も使うべきだ」と指摘します。体育館をパーテーションなどで区切って使うのは感染症対策としては十分とはいえないようです。

個人はどう備えればよいでしょうか。米田さんは「まず自宅周辺のハザードマップを確認してほしい」と助言します。浸水地域にあれば何メートルの高さまで水が来るか、浸水しない地域に避難させてくれる親戚や知人はいないか、どの避難ルートなら水を避けられるか。あらゆる事態を想定して早めに準備することが大切です。

米田雅子・防災学術連携体代表幹事「安全な地への居住を考える必要」

防災や災害復興にかかわる58学会が参加する防災学術連携体の代表幹事で、慶応大学環境・エネルギー研究センター特任教授の米田雅子氏に聞きました。

――5月1日に市民に向けて「感染症と自然災害の複合災害に備えて下さい」という緊急メッセージを出しました。

「新型コロナウイルスの緊急事態宣言後の4月中旬、日本気象学会や土木学会から『今年の夏は暑く、また豪雨が来る』『コロナが収束しないまま豪雨災害が起こればオーバーシュート(爆発的な感染拡大)しかねない』という指摘が出てきた。4月下旬に幹事で集中的に議論し、沖縄が梅雨に入る前にメッセージを出すことになった」

――コロナ下での災害時の避難について「避難の方法を変えなければならない」と訴えています。

「日本災害看護学会の方が避難所のマニュアルを作成しているが、避難所は『3密』になりやすく、感染拡大を避けるには避難所に行く人を減らすしかない。そこで避難所に来なくてよい避難の方法を訴えた。例えば、町内会で避難所に行かざるをえない人を把握し、それ以外の人は近所の知人や親戚に避難先をあらかじめ確保する。避難所に来る人の人数や状態が事前にわかっていれば自治体も準備がしやすい。ただ本当に危険が迫ればちゅうちょなく避難所に行くべきだ」

「災害時は水や電気などのインフラが止まり、避難所は衛生状態が厳しくなる。手洗い、うがいと言っても、水も電気もない前提で考えなければならない。災害看護の専門家からは『避難所のゾーニングは無理だ』という話があった。体育館と教室など建物を分けたり、旅館やホテルを活用したりすることも考えるべきだ。運動場にテントを張る案もあるが、大雨が降っていたら可能かどうか。その時その時に適切な判断ができるよう、あらゆる手段を考えて備えておくことが必要だ」

――コロナ対応では政治や行政と、専門家の関係が問われています。

「コロナでは、政治家が専門家の判断に頼りすぎている印象がある。専門家から助言を受け、政治家が責任を持って判断する役割分担が重要だ。一方、専門家も同じ分野の方だけが集まると、狭い見方になりがちだ。疫病対策や災害対策は、社会経済に大きな影響をもたらすため、異なる分野の専門家を入れて多面的に検討することが望ましい。専門家のたこつぼの弊害をのりこえるために、この防災学術連携体はできた」

――緊急メッセージでは地震や火山災害にも警戒を呼びかけています。

「日本地震学会や日本火山学会の意見を踏まえた。実際、このところ地震が頻発しており、これまで以上に複合災害に備える必要性が増している。巨大災害は多い。地球温暖化で海面が上昇し、高潮と豪雨が重なったら、ゼロメートル地帯は恐ろしい。昨年の台風19号で下流域の水位がギリギリだったところもある」

――コロナ後の世界で、災害への備えは変わりますか。

「本当の意味で、コロナと自然災害の複合災害に備えるには、避難しなくてよい安全なところに住むのが究極の対策だ。そうすれば、東日本大震災のように巨額の費用をかけて高い防潮堤をつくる必要もなくなる。コロナ対策にかなりの予算をつぎ込んでいるので、南海トラフ巨大地震が来たときに復旧予算があるのか心配する声がある。国家百年の計で、人口が半減する100年後に向け、危ない土地に住まず、安全な高台や台地に少しずつみんなが戻っていくしかないのではないか。そうしないと、いくらお金があっても足りなくなり、この国はもたない」

(編集委員 斉藤徹弥)

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