ほめ合う効果、発見し事業化 自分の言葉鍛え市場開くユニポス社長 斉藤知明氏(下)

ユニポスの斉藤知明社長は学生ベンチャーのCTOを経て、第二新卒で就職した
ユニポスの斉藤知明社長は学生ベンチャーのCTOを経て、第二新卒で就職した

働き手同士で伝え合う感謝や賞賛を、成果給に換算できる「ピアボーナス」のシステムを、企業向けに提供するITベンチャー、ユニポス(東京・港)。アイデアの元になったのは、親会社であるフリンジハチイチ(同)の社内向け制度だ。入社2年目で事業責任者に抜擢され、現在は20代にしてユニポスを率いる斉藤知明社長は、独自のリーダーシップで事業を軌道に乗せた。

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斉藤氏は東京大学在学中に英単語学習アプリの「mikan(ミカン)」を起業した。一度は大学院を休学し、最高技術責任者(CTO)として、経営に専念すると決意した。だが、最終的にはミカンを離れ、第二新卒で別の企業に就職する。転身の理由は、自身をもっと磨くことができる環境に身を置きたいという思いからだ。

「正直、CTOといっても学生だったので、ミカンの事業をより大きくしていくのであれば、技術面でも経験面でも力不足なのではないかと感じるようになりました」

そのまま続けるか、外部から優秀なエンジニアを引き込むか、それとも他の企業に就職して経験を積むか。迷いながらも、フリンジハチイチの採用面接へ行ってみたことが、次のキャリアを切り開くきっかけになった。

面接の過程では、様々な製品を手掛けるエンジニア約10人とじっくり話すことができた。肌で感じたのは、プロと学生の圧倒的な差だ。

「学生時代は目の前の壁を何とか乗り越えるために、必要な知識やスキルを『つまみ食い』するような形で身に付けていく感覚でした。だけど、そこで話したエンジニアたちには確固とした『型』があった。プログラミングやシステム設計についての理論をしっかり持っていた。本当に世の中を驚かせるものをつくりたいなら、自分にもそういう基礎が必要だと考えました」

エンジニアの一人としてフリンジハチイチに入社した。事業拡大期を迎え、社員数も急速に増えていった同社で、社員同士のコミュニケーションを改善するために生まれたのが、田中弦社長の発案による「発見大賞」という取り組みだった。

段ボールにサインペンで「発見大賞」と記した投票箱を作り、社長自らが手にして各部署を回った。社員一人ひとりに「今月、自分の周囲で一番よい貢献をしたと思う人」を書き出して投票してもらい、最も多くの票数を集めた人を表彰する。簡潔でアナログな仕組みだったが、実際に導入してみると、それまで高まりつつあったエンジニアの離職率がゼロになるなどの効果があった。

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