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出合い頭にも「目」光らす スバルがめざす安全機能

特集 クルマ安全機能の最前線(4) スバルに聞く(後編)

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NIKKEI STYLE

クルマの安全運転支援技術がどんな意図で生まれたものか、どんな機能を持っているのかをメーカー担当者に聞く本特集。SUBARU(スバル)編の前編では、入社以来開発に携わってきた技術者の丸山匡さんに、アイサイト開発の経緯や独自のステレオカメラ技術へのこだわりについて、自動車ライターの大音安弘氏とNIKKEI STYLE編集部が話を聞いた。後編では、引き続き丸山さんに、アイサイトの強みや、今後目指す方向性について聞いた。

挙動の違和感が少ない理由

大音 先進の安全運転支援システムは進化だけでなく、各社の考え方の違いも表れますよね。例えば、加速のタイミングや車間の取り方などは、アイサイトは当初から違和感が少なかったように思います。

丸山 実は、私が入社してしばらく取り組んでいたのが、その部分でした。加減速のソフトウエア開発を担当し、とにかく試験車を走らせて、違和感のある部分を修正してという作業の繰り返しでした。

編集部 設計はすごく難しそうですね。

丸山 どれくらいの加減速が一番気持ちいい走りなのかは、人や状況によっても異なります。それを違和感ないところを目指し、仕上げていく。気が遠くなるような課題ですね。

編集部 開発ではとにかく走り込むことが必要なのでしょうか?

丸山 現時点では、そうです。ただ我々が理想とする走りのイメージはつかめていて、テストと改良を繰り返すほど、その動きに近づけていけると思います。アイサイトはソフトやセンサーなど、すべてを自分たちで開発しているので、画像認識チームと車両制御チーム、それを評価するチームが一体であることが強みです。フィードバックがスムーズにできますから、走れば走るほどシステムがどんどんよくなります。

編集部 まだアイサイトのような安全運転支援機能を使ったことがない人に向けて、注意点はありますか?

丸山 あらゆる先進安全運転支援システムに言えることですが、システムを過信しないでください。あくまで運転支援システムですから、まずはドライバーが安全確認、安全運転をするのが大前提。それでも起きてしまう事故を、できるだけ防ごうという考え方です。「アイサイトがついているから安心」と思っていただけるのはうれしいですが、決して気を緩めてほしくはありません。これは開発者にとっては、ジレンマでもありますね。

快適機能も、安全につながる

丸山 現在のアイサイトをシンプルに表現すれば、「安全機能」と「快適機能」を組み合わせたものです。安全機能の重要性はお客様にも伝わってきましたが、もう一方の快適機能については、まだまだです。ただ快適機能も、安全運転に重要な役割を果たすものだと考えています。

編集部 アイサイトの運転支援機能をもっと活用してほしいということですか。

丸山 はい。例えば「ツーリングアシスト」は、長距離運転の疲労軽減に役立ちます。ドライバーが疲れていなければ、周りにしっかりと注意を払うことができ、安全運転につながります。またアクセルやブレーキ、ステアリング制御をシステムが行えば、ドライバーのうっかりミスも起きにくくなります。

編集部 つまり快適機能も、実は安全機能だというわけですね。安全機能というのは、衝突防止のことだなと思っていましたが、もっと幅広いものなのですね。

丸山 スバルでは、「総合安全」と呼んでいます。私たちは昔から視界の良さ、衝突安全性能、走る・曲がる・止まるの性能など、基本に忠実なクルマ作りをしてきた歴史があります。スバル360のころから衝突試験を実施していましたから。基本的なクルマの安全性を追求し、そこに先進安全を加えたものが「総合安全」というわけです。

さらに進化する次世代アイサイト

大音 アイサイトは今後どうなっていくのでしょうか?

丸山 昨年「東京モーターショー2019」で発表した次期型レヴォーグに、次世代アイサイトを搭載すると発表しました。

進化点としては、まずカメラの広角化によってセンシングできる範囲を広げます。さらに車両前方に二つのレーダーを追加し、単純な追突だけでなく、右左折時や出合い頭の衝突など、より複雑な事故シナリオも防げるようにしていきたいと考えています。

さらに高速道路上においてカーブで自動的に減速させる機能や、ウインカーレバーを操作するだけで自動的にレーンチェンジできる機能を追加します。これはステレオカメラと高精度地図、GPSや準天頂衛星「みちびき」からの位置情報を組み合わせることで実現します。

レーンキープ機能も進化させ、渋滞時に限ってステアリングから手を離しておけるハンズオフアシスト機能が加わる予定です。自動運転のレベルでいうと次世代のアイサイトは、あくまで人間のサポートに徹するレベル2となる予定です。

編集部 レベル3には行かないんですか。

丸山 もし(システムが部分的に運転主体となる)レベル3を実現しようとすると、システム全体が二重系であることが必要になります。その分高価になり「買える価格で最大限の機能を提供する」という我々の考えから外れてしまいます。ですから、まずはレベル2の範囲でできることを増やし、多くの人に使ってもらうことを目指しています。安全技術は普及してはじめて事故を減らせるものですから、価格にはこだわっています。

大音 最後に、丸山さんからみてのアイサイトの魅力はどこでしょうか?

丸山 実際に路上で役立つ機能であることですね。過去のデータですが、アイサイトVer.2を搭載したクルマとそうでないクルマを比較すると、(搭載車は)追突事故が84%減、人身事故が61%減という結果が出ました。今は基本的に全車に装備されているので、違いを比べることができなくなってしまいました。

また技術者としては、作動の滑らかさと違和感のなさにこだわっているので、そこは強みかなと思っています。今度出る次世代アイサイトは、さらに良くなるのでご期待ください。

技術者の信念が普及を後押し

今やスバルの看板のひとつといえる「アイサイト」の開発が消滅の危機に瀕していたのは意外だが、それだけ先を見据えて早くから取り組んできた証ともいえるだろう。アイサイトは、精度の高い安全機能を10万円という現実的な価格で提供し、国内での衝突被害軽減ブレーキの普及にひと役買った。

だがアイサイトがここまで普及した理由は価格だけではないだろう。長距離ドライブを助ける「ツーリングアシスト」や、違和感のない車両制御の作り込みなど、技術者の走りに対する思いが、走りにこだわるスバルファンや、本物志向となった消費者の心にも響いたのではないだろうか。よりアシスト機能が増える次世代アイサイトがどんな味付けになるのか、今から楽しみだ。

大音安弘
 1980年生まれ、埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材している。自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。

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