どうなる「新しい日常」のビジネスマナー 名刺交換は「新しい日常」のスタンダード(下) プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

これは思いやり以前の、相手に寂しい思いをさせないための知恵です。マナーでも何でもありません。テレワークはまだ黎明(れいめい)期ですので、今生まれつつあるマナーは、円滑にやり取りしていくための知恵の側面が強いように思います。もっといい知恵があれば変化します。知恵ですから知らないよりは知っている方が、物事への対応力は増すでしょう。

得意先との接し方はこれから何に気をつけていくべきでしょうか

テレワークでは社外の方との接し方に変化をもたらしました。オンラインでのやりとりが多くなったのであれば、自分が在宅にしろ、相手が在宅にしろ、やり取りをするときに最低限の目標設定だけはしておくようにすると楽です。

本来、自宅は「オフ」の場です。仕事には従事していても、テンションをオンのままにしておくのは難しいものです。職場にいれば自然と「オン」のスイッチが入りますが、自宅では自分でも気づかないうちに省力化モードに入っている可能性は高いと思います。

「本日は○○と○○を話しましょう」「○○は決めておきたいです」など、目標となるマイルストーンを置くと、モードをオンに切り替えやすく、後からレビューもしやすくなり、お互いに達成感が強くなります。

対面に戻った方は、距離感や衛生観念の示し方に気をつけて下さい。前回申し上げたように身だしなみや服装は清潔であると同時に清潔に見えなければ、信頼感を損ないます。

ところで、一気に常用アイテムとなった「マスク」についても考えてみましょう。「黒マスク」などの色がついたもの、柄付きなどは、ビジネスシーンでしてもいいものでしょうか。

会社でするなら「清潔感」を醸し出す白マスクが好ましく思われそうだ

マスク不足のときは健康を守るために何でもいいのですが、マスクの選択肢が広がり、「できる感」や「信頼感」について考える余裕ができそうな今後は、色や柄の見え方を気にしてもいいと思います。優先すべきは、違和感なく周囲に「清潔感」を感じてもらえるかどうか。そう考えますと、ビジネススタイルでなじみやすいのは「白」です。

「黒」は一見、なじみそうですが、肝心の「清潔感」においてはあまり期待できません。他の色や柄ものも、あえて白以外を選ぶ意味はないと考えます。色々な色や柄のマスクは話題のきっかけになりそうですし、シャツやネクタイとコーディネートしたり、スーツ柄と合わせてトータルコーディネート、という提案も出始めています。ただ、「信頼感」「できる感」の観点から言えば、ファッションの仕事についている人は別として、マスクでのおしゃれ感はあまりいらないでしょう。

これから外出する際におすすめしたい携行品が、替えのマスク、ハンカチ、携帯用消毒液、ハンドクリーム、マウスウォッシュ、アトマイザーです。

替えのマスクは、万が一汚れがついたりしたら悪印象になるので念のため。また、ハンカチはお手洗いのエアータオルが使えないようになっているためです。消毒液は、手を消毒するところを相手先で見せて安心してもらう必要の可能性を考慮してのこと。また、マウスウオッシュはマスクをかけていると口臭がこもりやすくなるので人に会う前に口をひとすすぎすることをおすすめしたいからです。そして最後にアトマイザーで爽やかな香りをプラスするとさらに良い印象になります。

今は色々な情報が錯綜していますが、人の意見をきちんと聞きつつ、自分の価値観を確認することも忘れないでください。いたずらに周りに流されない自分という存在感がある人が「できる人」なのです。ちなみに、弊社では他では「マナー」と呼ばれる振る舞いや所作を「ソーシャルセンス」と名付けています。ただの決まり事ではなく、社会でしなやかに生きるセンスとして身につけていただきたいという願いからです。

丸山ゆ利絵
ホテル西洋銀座やアークヒルズクラブなどを経て2010年、経営者などに「ふさわしい存在感」の演出方法を助言するコンサルティング会社、アテインメンツ(大阪市)を設立、代表に就任。15年、ビジネスマンに正しいスーツの着方を指南する「スーツ塾」を開講。 著書に「『一流の存在感』がある人の振る舞いのルール」(日本実業出版社)など。

夏の装い直前講座
Watch Special 2020
Fashion Flash
夏の装い直前講座
Watch Special 2020
Fashion Flash