日常に戻れると思っていたのに、戻ったところは、かつての日常ではなかった……。まるでSFのようですが、いつの間にか「ニューノーマル=新しい日常」の中にいる私たち。働くシーンでも振る舞いの変化が求められ、これまでの常識が通用するのかわかりません。このような状況で困るのは、社会人になって間もない新人の方々ではないでしょうか。ただ、「できる男」は柔軟に変化に対処し、その波におぼれることはありません。「新しい日常」の「できる男」の服装や振る舞いのスタンダードを考えていきたいと思います。今回は服装についてです。(この記事の〈下〉は「どうなる「新日常」のビジネスマナー 名刺交換は?」)
清潔であることと清潔に見えることは別
振り返ってみると、以前と比べていちばん変わったのは「衛生観念」ではないでしょうか。手洗い、うがい、マスクなど、自分たちが衛生的であることに神経質にならざるを得ません。同時に、周囲の他人の様子にも以前より気をつけ始めたように思います。もともと、社会人としてまずいちばんに気をつけることは「身だしなみ」と言われていましたが、この時代にあって「できる」人が変わらず強く意識しなければいけないのが、その部分でしょう。
身ぎれいであることは社会で受け入れられ、円滑なコミュニケーションを取るためのパスポートというわけです。重要なのは、「清潔であることと、清潔に見えることは、別」だということです。自分を清潔に保つだけでなく、他人から見てもそれがわかりやすい「サイン」として表れていないと、安心してコミュニケーションをとってもらえません。サインとしてわかりやすいのは、髪形や肌ツヤ、足元まで含めた服装です。
その髪形本当にかっこいいと思ってますか?
まず、髪形です。自粛期間が続いて理容院や美容院に行けていないという人がまだ多いかもしれませんので、「行けるようになったら」実践していください。

言うことはこれだけです。「仕事ができる有能な人間」として見られたいなら、前髪はすっきり上げてサイドはタイトにキープしましょう。そのほうがかっこよくもあります。
前髪をたらしたふわっとしたヘアスタイルは「若さ」「フレッシュ感」「程よい甘さ」があり、新人ビジネスマンに根強い人気があります。ですが、「仕事ができる人」の印象が必要なシーンで期待される、「知性」「頼りがい」の要素がありません。
また、服装がスーツやビジネスカジュアルであるにもかかわらず、髪をセットするでもなく前髪が「伸びているまま」の髪形は、さらにマイナスです。服装だけきちんとしていても髪形がミスマッチとなり、「身の回りを構わない感」が表れてしまうからです。それは周囲に「だらしなさ」「脇の甘さ」「凡庸さ」を感じさせることにもなります。印象はトータルで生まれるものなのです。

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