日経エンタテインメント!

商品の売れ行きも好調だ。「TVCM放映開始から4週間の推計販売規模(インテージSRI調べ:3月23日~4月19日)は、前年同週比で116%となっており、売り上げにも寄与できたと考えています。販促効果は、希釈タイプの『カルピス』にも良い影響があったとみています。新型コロナウイルスの影響で家庭内での需要が上がったこともありますが、前年同週比で売り上げが上がっております。TVCMを見て、実際に濃いめに作って飲もうと思ってくださったお客様もいたのではないかと考えています」(楡氏)。

6種類のキャラクターの声を演じ分け

「カルピス」ブランドのCM「発酵劇場」編。長澤まさみが声優として6つのキャラクター全ての声を1人で演じ分ける

アサヒ飲料では、5月6日からは「カルピス」ブランドの新CMとして「発酵劇場」編をオンエア。ある日の夏、自宅でカルピスを飲んでいた少年が「『カルピス』ってなんでおいしいの?」と母に聞くと、ナゾのお姉さんが現れて、乳酸菌と酵母の発酵によっておいしさが生まれることをアニメーションで伝える。少年、お姉さん、お爺(じい)さん、お兄さん、乳酸菌くん、酵母ちゃんという6種類のキャラクターの声を長澤が1人で演じ分けている。

「『カルピス』ってなんでおいしいの?」という少年の疑問に、ナゾのお姉さんが現れて、乳酸菌と酵母によっておいしさが生まれることを教えてくれる

「声優としても才能を発揮する長澤さんの、驚くほど巧みな声の演じ分けにぜひご注目ください。監督と1対1で対話を重ね、その場で様々な声色を出し、キャラクター像を作り上げていました。あまりの声のかわいさに、急きょ現場のアイデアで最後の『アサヒ飲料』のナレーションを“乳酸菌くん”と“酵母ちゃん”の声に変更するという一幕もありました」と楡氏は収録の内幕を語る。

CM総研の関根氏は、「カルピス」ブランドの顔としての長澤の存在感に注目。「長澤さんが『CM長いことやってるから』とささやくセリフは、2005年から『カルピス』ブランドのCMに出演している彼女だからこそ、強い説得力を残すことができたと考えられます」と言う。映画・ドラマ・舞台で圧倒的な演技を見せる長澤だが、CMでもその存在感は堂々たるものがある。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

■調査対象期間:2020年3月20日~4月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2606銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
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