カワサキZ H2 怒濤の加速力、軽やかな身のこなし

2020/6/14
スーパーチャージャーを搭載した「カワサキZ H2」の乗り味を確認した(写真:郡大二郎、以下同)
スーパーチャージャーを搭載した「カワサキZ H2」の乗り味を確認した(写真:郡大二郎、以下同)
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240kgの車体に最高出力200PSのスーパーチャージドエンジンを抱く「カワサキZ H2」。クルマでいうなら1000PS級のネイキッドバイクは、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか?

“法外”なパワーユニット

2015年、二輪の量産市販車としては初のスーパーチャージドエンジン搭載モデル「ニンジャH2」がカワサキから登場した。さまざまな規制が強まる中、「エコ? 燃費? そんなん知らんけど」という孤高感がカワサキらしく、実にすがすがしい存在だった。

当時、私はすぐにH2をオーダーし、アメリカの公道レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に参戦するための準備を進めていた。なにせゴール地点の標高は4300mを超える高地ゆえ、酸素濃度が大幅に低下。それによるパワーダウンを補うには過給機に頼るのが手っ取り早く、確実な方法だったからだ。

ところがそんなある日、レース事務局から「The H2 is not legal.」という趣旨のメールが届いた。年々向上していくアベレージスピードを抑制すべく、彼らはレギュレーションの変更を実施。高いポテンシャルを持つスーパーチャージャーはそのあおりをまともに受けたのである。

結果的に行き場を失ったH2がどうなったか? しばらくは公道で乗っていたものの、パワーもハンドリングもその領域では決して快適なものではなく、かといってほかに出られる競技もそう多くはなかったため、ほどなく売却。そんなわけで、スーパーチャージャーにはちょっとした苦い思い出があるのだ。

さて、それから5年が経過し、H2のネイキッド版としてデビューしたのが、このZ H2である。

猛獣をイメージしてデザインされたという「Z H2」。一方で、機能部品の装飾を廃したシンプル化も特徴となっている
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