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セコマ会長 丸谷智保氏

セコマ会長 丸谷智保氏

北海道でコンビニエンスストアの出店数で首位をひた走るセイコーマート。運営会社のセコマ(札幌市)は関東にも90以上の店舗網を持ち、食品製造から物流、小売りまで自ら手掛けるのが最大の強みだ。丸谷智保会長は本州への食品販売の拡大や、北海道の過疎地域への出店など積極的な施策でグループを引っ張ってきた。そのリーダーシップに欠かせないのが、「物事の本質を見極めることと、ポジティブシンキング」だと丸谷会長は語る。

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――リーダーとして大切にしていることは何ですか。

「物事の本質を追究することです。問題が起きたとき、表面的に背景を理解するだけではなく、問題が生じた本当の理由がどこにあるのかをとことん考える必要があるのです。例えば、工場で労災が起きたとしましょう。責任者から上がってくる報告書を見ると、『マニュアル通りに機械を動かしていなかった』とか、そういう内容が書いてある。そういう時に私は『本当の理由はどこにあるのか。もっと探って』と伝え、より深く分析するように求めます」

「目先の問題を解決すれば終わり、ではなくて、組織として社員の訓練や勤務管理の状況などあらゆる面について、現状を見直すいい機会になると思うからです。将来を正しく見通すためには、常に現状を疑う必要がある。この姿勢はリーダーとして、非常に重要なことです」

――そう考えるきっかけはありましたか。

「中学1年生の時に読んだ、哲学者バートランド・ラッセルの著作が原点です。哲学の入門書なのですが、英語で書いてあるので辞書を片手に読み進めました。私が『物事の本質とはなにか』を常に考える姿勢はこのとき、身についたように思います。そもそも、哲学に関心を持つようになったのは、父の影響です。父は学生時代に哲学の研究会に入っていたこともあって、家の中に哲学書がふつうに置いてある環境でした」

「また、私が大学で所属していた民法の研究会の影響も大きいです。法律の研究会ですから、事故や事件について調べる時はその原因を詳しく分析するのです。これを学生時代にたたき込まれたおかげで、『理由は何なのか』『本当にそれが原因なのか』と何度も繰り返し考える癖がついたと思います」

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