衣類もカラッと 乾燥除湿機は「1年中使用」で選ぶ
梅雨に入ると洗濯物を外に干せず、部屋干しする機会が増える。しかし部屋干しは衣類が乾きにくくなるだけでなく、部屋の湿度が上がってカビが発生しやすくなったり、洗濯物から生乾き臭が発生したりするなど問題も多い。そんなときに活用してほしいのが、衣類乾燥除湿機だ。4月以降、続々と登場した有力メーカーの新モデルを中心に衣類乾燥除湿機を紹介する。
扇風機よりカラッと乾く
衣類乾燥除湿機は、空気中の湿気を取り除きつつ衣類に乾燥した風を当てることで、洗濯物の乾燥を促す機能を搭載した除湿機。パナソニックによると、部屋干しした洗濯物の4時間後の残水量は、自然乾燥で72%、扇風機を当てると59%であるのに対し、衣類乾燥除湿機を使用すると4%まで減少するという。
製品選択の一番のポイントは除湿機の方式。「コンプレッサー方式」「デシカント方式」と2種類あり、それぞれメリット、デメリットがある。コンプレッサー方式は、コンプレッサーで空気を冷却し、その温度差で結露させることで水分を回収する。温度差が大きい夏に高い除湿能力を発揮するが、冬には弱い。一方のデシカント方式は、デシカント(ゼオライト)と呼ばれる吸湿剤に空気中の水分を吸着して除湿する方式。吸着した水分はヒーターで蒸発させ、さらに熱交換器で冷やして結露させることで、水分を回収する。低温下でも能力が落ちず一年を通して使えるが、ヒーターを使うため消費電力が多くなる。さらに、この2つの方式を組み合わせた「ハイブリッド方式」も登場している。
センサーがぬれた場所を見つけて乾燥 三菱電機
三菱電機が4月21日に発売したコンプレッサー方式衣類乾燥除湿機「MJ-M120RX」は、三菱独自のセンサー機能「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載。「赤外線」「温度」「湿度」の3つのセンサーが洗濯物の状態を検知し、広範囲に送風した後、乾き残り部分にのみ送風することで、効率よく衣類を乾燥させる。「部屋干し3Dムーブアイ」が見ている場所は「光ガイド」が照らすため、乾燥状況もわかりやすい。
新たに搭載されたのは、布団を乾燥させる「ふとんサラリモード」。広範囲に遠くまで送風する「ワイド&ロング気流」は下吹きもできるため、敷いた布団の乾燥にも使える。また少量の衣類を高速ドライ風で集中乾燥させる「ズバッと乾燥モード」は、子どもの体操服や給食着、上履きなど急いで乾かしたいものがあるときに便利だ。
送風範囲は左右180cm(吹き出し口前方100cmにおいて)。1回で乾燥できる洗濯物の量の目安は約6kg。集合住宅(コンクリート・軽量コンクリート)洋室の除湿面積の目安は、~28畳/~30畳(50Hz/60Hz)。
ヨコ型設計で洗濯物の真下に置ける パナソニック
パナソニックのハイブリッド方式衣類乾燥除湿機は、梅雨や夏に強い「コンプレッサー方式」と秋冬に強い「デシカント方式」を融合し、一年中高い除湿能力を発揮できるのが特徴。一般的に衣類乾燥除湿機は洗濯物の前に置いて使うが、新モデル「F-YHTX90」は高さ33.5cmのコンパクト設計により、洗濯物の真下に設置でき、省スペースかつスピーディーな乾燥を実現する。デッドスペースを活用するため、今まで「設置場所がない」と導入を諦めていた世帯も取り入れやすいという。
送風時に放出されるパナソニック独自イオン「ナノイーX」は、部屋干し臭のもととなる菌を除菌し、部屋干し臭の抑制に効果が期待できるという。「寝具ケア」モードでは、除湿で乾燥させながら「ナノイーX」でニオイ対策をするので、外に干せない時期でも布団を快適に保ってくれる。
約2kgの洗濯物の乾燥目安は97分。送風範囲は左右100cm。洗濯物の量の目安は2.5人分(1人分は1.5kg)。鉄筋住宅の除湿面積の目安は、~15畳/~16畳(50Hz/60Hz)。
1台で除湿も加湿もできる空気清浄機 シャープ
空気清浄機でありながら、衣類乾燥もできるシャープのコンプレッサー式プラズマクラスター除加湿空気清浄機「KI-LD50」。除湿した水をためる「除湿トレー」と、加湿する水を入れる「加湿トレー」を二重構造にした「除湿/加湿一体型トレー」を採用することで、設置面積が雑誌(A4)見開きサイズ以下というコンパクト化を実現した。「加湿」「除湿」「空気清浄」「衣類乾燥」機能を備え、一年を通して活躍する。
衣類乾燥時は、スイングルーバーが風を前方に集中させることで、洗濯物をスピーディーに乾燥。同時にシャープ独自のイオン「プラズマクラスター 25000」が部屋干しで発生しやすい生乾き臭を消臭し、付着カビ菌の増殖を抑えるという。
約2kgの洗濯物の乾燥目安は165分。コンクリート住宅の除湿面積の目安は~13畳/~14畳(50Hz/60Hz)。
サーキュレーターがパワフルに乾燥 アイリスオーヤマ
除湿機とサーキュレーターを一体化し、効率的に衣類を乾燥させるアイリスオーヤマのデシカント式サーキュレーター衣類乾燥除湿機「KIJD-I50」。ヒーターの熱を利用した乾燥風を循環させることで効率的に洗濯物の湿気を取り除き、衣類乾燥時間を自然乾燥の約6分の1に短縮する。「湿気ナビランプ」が空気中の水分量を「青」(水分量多い)、「青緑」(水分量やや多い)、「緑」(水分量少ない)の3段階の色で表示するため、洗濯物も乾燥具合が把握できるという。
除湿機能とサーキュレーター機能は単独でも使えるため、エアコンと併用して部屋の空気を循環させ、温度ムラの解消に活用するなど一年中活躍。除湿・サーキュレーター弱モードで運転音29デシベルの静音設計で、就寝中でも使用できるという。
約2kgの洗濯物の乾燥目安は95分。送風範囲は左右340cm。鉄筋コンクリート住宅の除湿面積の目安は13畳。
白物家電・美容家電を中心に、暮らしにまつわるモノやコトを幅広く取材、執筆するフリーライター。リアルな主婦目線で、日々の家事が楽しく快適になる家電の取り入れ方を積極的に発信する。
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