会食も打ち合わせ ヘビーな話や未来を語らう場にクリエイティブディレクター 佐藤可士和(8)

写真はイメージ =PIXTA
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日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏。一日の多くは「打ち合わせ」で埋め尽くされているという。30を超えるプロジェクトが常時無理なく動いているという佐藤氏の仕事を支えているのは質の高い打ち合わせだ。文庫化された「佐藤可士和の打ち合わせ」から、同氏が実践する打ち合わせの極意をのぞいてみよう。

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《会食とランチミーティング》
 会食は「未来を語らう場」
 として活用せよ

会食も「打ち合わせ」である

会食は日常の仕事を離れた場、お互いリラックスする場、という認識をお持ちの方もおられるかもしれません。しかし、僕は、夜の会食もお酒の席も、完全に打ち合わせの場だと思って行こう、と心掛けてきました。

クライアントとの打ち合わせは、ほとんどが会社の会議室で行われます。会議室で行われるような打ち合わせは、どうしても「リアリティ」があるのです。現実的で間近に迫っているものについて話したくなる。

しかし、本当はもっと長い目で見てどうしたいのか、どこに行きたいのか、という話が、いい仕事をしていく上では重要です。

それが普段からできる環境が作れればベストですが、なかなか難しい。そこで、会食が重要になってきます。食事を一緒にするというのは、最も手っ取り早く、親しくなる方法だからです。

不思議ですが、同じ食事をすると共有できるものが目の前にあるからでしょうか、「仲間感覚」が生まれる気がします。

人間が生きていくには食べなければいけない、という根源的なところに作用するのかもしれません。それを分け合ったりすることは、動物でいえば、本当に信用しているということだと思うのです。

生存競争が激しかった昔は、「食」は取り合うものでもありました。分け合うのは、家族であり、大切な信頼関係がある同士。そんな「食」を一緒にすることで、本来生まれる緊張感から、ちょっと解放されるのかもしれません。

そんな大事な場ですから僕は、このことを話そう、と事前に決めておくことがよくあります。普段の打ち合わせでは言いにくいことや、根深い問題、体制の話など少しヘビーな話をあえて持っていくことも少なくありません。

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