コロナ後に「ゲームチェンジ」 求められるマーケ力は実践「マーケティングトレース」(下) ブランディングテクノロジー執行役員 黒沢友貴氏

同時に、経営者がマーケティングに取り組まないことで倒産してしまう会社もたくさん見ました。こうした状況はマーケティングの力で回避できるのです。つまり純粋に「いい価値を届けているいい企業が残る」ということです。マーケティングを学ぶと、企業価値の届け方がうまくなるので、企業の持続可能性が上がります。そのような環境づくりをすることが、私が「マーケティングトレース」を通じて実現したい、本来の目的なのです。

「マーケティング」には大きな可能性があることを、多くの方に知っていただきたいと思っています。

ゲームチェンジは「きれいな戦略」からは生まれない

私がマーケティングに可能性を感じるようになった原体験についてお話ししましたが、マーケティングを理解しようとせず嫌っている人たちには、マーケティングに対する大きな誤解があるような気がしています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、すべての業界で今、「ゲームチェンジ」が起きようとしています。ここで、マーケティング戦略の基本的な考え方に基づいて、ゲームチェンジはどうすれば起こせるのかを考えてみます。

一般的なマーケティング戦略の基本的な流れは、次のようなものです。

・外部要因がこのように変化すると分析する(利用するフレームワークとしては企業を取り巻く政治、経済、社会、技術の4つの面から企業への影響を分析する「PEST分析」など)

・このように変化する外部環境に適応しようとする

・具体的な戦略はこれ、と意思決定する

非常に「きれいな戦略」に見えますし、決して間違っている思考ではありませんが、不確実で変化の激しい状況では、外部要因から考えるだけではゲームチェンジは起こせないのです。

ゲームチェンジはきれいなマーケティング戦略からだけでは生まれないということです。

大切なのは、自分の「原体験」や「ビジョン」なのです。内側にあるものから思考して行動をしている人がゲームチェンジを起こしていると私は見ています。

原体験、ビジョン、マーケティングの循環をつくる

(注)黒沢氏のCOMEMO投稿から

上の図は内側から思考、行動して戦略に落とし込むイメージを示しています。まず、自分を突き動かす根底にある「原体験」がストーリーになり共感を生む。原体験がよりわかりやすく言語化された「ビジョン」が関わる人に共有され全員に方向性を示す。そして、「マーケティング」によって価値を伝える構造をつくり、原体験に基づくビジョンを実現して持続可能性あるものにする、という流れです。

「原体験」「ビジョン」「マーケティング」をつなげることで、社会を変革してゲームチェンジを起こすことが可能になります。これからの社会では、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を策定するだけの、基本的できれいなマーケティング戦略をとるだけでは足りません。強烈な原体験をビジョンと具体的なマーケティング戦略に落とし込むことが大切になってきます。

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