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メインの平台の中央付近、最前列に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

メインの平台の中央付近、最前列に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。高層オフィス街の一角にあるこの店は緊急事態宣言以降、時間を短縮して営業を続けているが、通常時に比べると本の動きは明らかに鈍い。そんな中、一番の売れゆきになったのは、コロナショックに企業やビジネスパーソンがどう対処すべきかを説いた企業再生のプロによる緊急提言の本だった。

企業再生のプロ、修羅場経験から語る

その本は冨山和彦『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』(文芸春秋)。冨山氏は経営共創基盤(IGPI)の最高経営責任者(CEO)。約20年前の金融危機以来、産業再生機構やIGPIで日本航空(JAL)、東京電力など数々の企業再生の修羅場に関わってきたプロ中のプロである。

その人物が今日のコロナショックの経済状況を「その広さと深さと長さにおいて、過去の危機を上回る破壊性を持っている」と言い切る。そんな状況下、企業と個人が生き残るためのカギと心構え、さらに危機後の世界のビジョンを語ったのが本書だ。4月半ばに執筆、5月には書店に並ぶという雑誌のようなスピードで作られた本で、118ページというコンパクトな分量に日本経済復興への思いを詰め込んでいる。

本書はまず危機の進みゆきを明快に解説する。「時間軸的にはL(ローカル)な経済圏の中堅・中小のサービス業が打撃を受け、次にG(グローバル)な経済圏の世界展開している大企業とその関連の中小下請けへと経済収縮の大波が襲っている。この段階での衝撃を受け損ねると、次は金融システムが傷んで今度は金融危機のF(ファイナンシャルクライシス)の大波が起きかねない」。これが今回の危機の見取り図だ。

「何としてもGの第二波で経済危機を収束させることが肝要である」と著者はいう。そして修羅場の経営の心得8カ条を示す。想像力、透明性、捨てる覚悟、独断即決、タフネス、ネアカ……多くの心得はリーダーに向けて投げかけられる。

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