改めて感じる 歌の力

星野源さんが自身のインスタグラムで楽曲「うちで踊ろう」を発表したり、レディー・ガガさんらがオンラインコンサートを開いたり。家で過ごす時間が増える今、改めて歌の力を感じている人も多いに違いない。

「昔を思い出す、懐かしい曲の再生回数が増えている」――。世界で2億8600万人以上の利用者がいる音楽配信サービスの「スポティファイ」によると、4月1~7日にはポール・アンカやクイーンなど、1950~80年代の曲の再生数が伸びたという。国内でも、ザ・ビートルズなどがよく再生されたそう。今回のランキングにも90年代発売の、懐かしい曲が多く入った。

一方、カラオケに行くことが難しい状況のなか、家で熱唱する人も増加。スポティファイではボーカルの音量を下げ、一緒に歌える機能の利用も大きく伸びている。今回の調査でも「自粛生活が終わったらカラオケで歌いたいので、今はあいみょんさんの『マリーゴールド』を自宅で練習している」(30歳女性)といった声が目立った。

歌詞への関心も急上昇中だ。28万曲以上の歌詞が登録され、インターネットで検索できる「歌ネット」の3月の利用者は約1260万人と「過去3年で最高」(運営するページワンの小沢智哉代表)。家にいる時間を生かし、アーティストらのメッセージを改めて読み解こうとする人も多そうだ。

■ランキングの見方 数字は調査結果を点数化。モデルはMAYU、写真は三浦秀行撮影。

■調査の方法 ネット調査会社のマクロミル(東京・港)を通じ、ネットで2回調査した。1回目は4月中旬、10~60代の男女3090人に「今聴きたい元気になる邦楽」を自由に挙げてもらった。5人以上が挙げた1アーティスト1曲の条件で48曲に絞り込んだ。2回目は同月下旬、10~60代の男女1036人に、「元気をもらえる」順に3曲選んでもらい、編集部で集計した。(井土聡子)

[NIKKEIプラス1 2020年5月23日付]