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新型コロナで増えた古着 でも自治体の回収はストップ

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛を受け、家庭から出る古着が増えています。衣替えの時期と重なり、各家庭での整理が進んだためです。しかし、リサイクル先の新興国も新型コロナの影響で受け入れを停止したため、古着は増える一方となり、回収を停止する自治体も出てきました。影響が長期化する恐れもあります。

古着の回収日を隔週で設けている東京都八王子市は、4月の回収量が173トンと前年同月比24%増加しました。同市ごみ総合相談センターの森田健司所長は「過去にない増え方で、多くの人が自宅の片付けをしたためではないか」とみています。八王子市は4月下旬以降、ホームページや広報誌を通じて「衣類の家庭内での保管を」と呼びかけています。

大阪市も4月の古着回収量は276トンと前年比4%増えました。回収を委託する業者の保管場所がいっぱいとなり、5月からは市有地の一部を充てています。大阪市や東京都江東区、練馬区は古着の回収を一時停止することになりました。東京都リサイクル事業協会のインターネット調査によると、5月16日時点で東京23区のうち10区が、古着回収を停止したり家庭内保管を呼びかけたりしています。

古着の回収が滞っている理由は「断捨離」による量の増加だけではありません。家庭から出た古繊維は約75%が輸出されますが、主な輸出先のマレーシアやフィリピンは3月以降、新型コロナによる活動制限で受け入れを停止。古着が国内に滞留することになったのです。

マレーシアなどは古着を選別してアジアやアフリカ諸国に再輸出しています。このため一部の国が活動制限を解除しても、ほかの国で制限が続けば物流は再開しません。さらにリサイクルに詳しい岐阜女子大学の杉山涼子特任教授は「日本の古着は着物から水着まで種類が多く、選別に手間がかかる」と指摘しています。仕分け作業の能力には限界があるため、「輸出が再開しても国内での滞留が長期化する恐れもある」(都リサイクル事業協会の後藤浩成事務局長)との見方も出ています。

古着はしばらく家に置くことになりそうですが、発想を切り替えてもいいかもしれません。洗濯ノウハウを伝授するクリーニング会社経営の中村祐一氏は「しみ抜きや黄ばみ落としにチャレンジしてみては」とアドバイスしています。つけ置きや洗剤にこだわることで、あきらめていた汚れを落とせる場合があるからです。古着は針仕事により雑巾やパッチワークに仕立て直すこともできます。新しい趣味を見つけ、おしゃれを磨くチャンスにしてみてはどうでしょう。

杉山涼子・岐阜女子大学特任教授「リサイクル、見直す機会に」

リサイクルの現状と課題について、岐阜女子大の杉山涼子特任教授に話を聞きました。

――新型コロナを機に古着のリサイクルが停滞しています。

「古着はリサイクルのかなりの部分を海外に依存しています。もともと布類は綿や絹から合成繊維など多種多様で、仕分けには手間がかかります。さらに日本は伝統的な着物から子どもが使った水着まで幅広い衣服をリサイクルに回しています。古着を必要とする新興国のニーズと合わないものもあるため、仕分けに大きな手間とコストがかかるのです。最近は一部のアパレルによる自社製品の回収や、インターネットを通じた個人間の古着販売も盛んになってきました。それでも全体としてリサイクルがうまくいっているとは言えないでしょう」

――海外から国内にリサイクルを切り替えることは可能ですか。

「たとえばプラスチックのリサイクルは、2017年に中国が輸入制限へ転じたことで、世界中で見直しの動きが起きました。東南アジアが代わりに一部の受け入れ先となりましたが、いつまでも続くとは限りません。国内での代替手段を確保することは今も課題です。古着も同じような問題に直面していると言えるでしょう」

――どのような解決法があるでしょうか。

「リサイクルは消費者の協力、行政による補助金など様々な要素から成り立っています。たとえば消費者がルール通りに仕分けをすることで回収の手間やコストは下がりますが、2割程度の人はどうしてもルールに反したことをしてしまいます。このため消費者にルールを守ってもらう工夫がまずは必要です。ただ認知能力の低下した高齢者などは、新製品などの分類ができないこともあります。企業や行政は製品が捨てられることを見据え、素材や表示をわかりやすくする工夫が求められるでしょう」

「もう1つはリサイクル事業者の高度化です。リサイクルで海外に頼れない状況に対応するには国内での処理能力の向上が必要です。そして実現のためには、事業者に新たな設備投資をする余力がなくてはいけません。日本のリサイクル事業者は欧米に比べ中小企業が多く、事業拡大への余力が大きいとは言えません。M&A(合併・買収)などによる大規模化を促す政策が必要でしょう」

(高橋元気)

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