新型コロナで増えた古着 でも自治体の回収はストップ

東京都八王子市では4月の古着回収量が前年比24%増えた(5月14日、同市戸吹クリーンセンター)
東京都八王子市では4月の古着回収量が前年比24%増えた(5月14日、同市戸吹クリーンセンター)

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛を受け、家庭から出る古着が増えています。衣替えの時期と重なり、各家庭での整理が進んだためです。しかし、リサイクル先の新興国も新型コロナの影響で受け入れを停止したため、古着は増える一方となり、回収を停止する自治体も出てきました。影響が長期化する恐れもあります。

古着の回収日を隔週で設けている東京都八王子市は、4月の回収量が173トンと前年同月比24%増加しました。同市ごみ総合相談センターの森田健司所長は「過去にない増え方で、多くの人が自宅の片付けをしたためではないか」とみています。八王子市は4月下旬以降、ホームページや広報誌を通じて「衣類の家庭内での保管を」と呼びかけています。

大阪市も4月の古着回収量は276トンと前年比4%増えました。回収を委託する業者の保管場所がいっぱいとなり、5月からは市有地の一部を充てています。大阪市や東京都江東区、練馬区は古着の回収を一時停止することになりました。東京都リサイクル事業協会のインターネット調査によると、5月16日時点で東京23区のうち10区が、古着回収を停止したり家庭内保管を呼びかけたりしています。

古着の回収が滞っている理由は「断捨離」による量の増加だけではありません。家庭から出た古繊維は約75%が輸出されますが、主な輸出先のマレーシアやフィリピンは3月以降、新型コロナによる活動制限で受け入れを停止。古着が国内に滞留することになったのです。

マレーシアなどは古着を選別してアジアやアフリカ諸国に再輸出しています。このため一部の国が活動制限を解除しても、ほかの国で制限が続けば物流は再開しません。さらにリサイクルに詳しい岐阜女子大学の杉山涼子特任教授は「日本の古着は着物から水着まで種類が多く、選別に手間がかかる」と指摘しています。仕分け作業の能力には限界があるため、「輸出が再開しても国内での滞留が長期化する恐れもある」(都リサイクル事業協会の後藤浩成事務局長)との見方も出ています。

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