全員リモートワークで創業 全国の人材でワンチームキャスター 石倉秀明COO、勝見彩乃執行役員

リモートワークがあぶり出した「同調圧力」

――リモートワークのメリットは何ですか。

「会社や同僚と、どの程度の距離で付き合いたいかは、社員によって一人ひとり全く異なります。リモートワークであれば、周囲に気兼ねなく距離を保つこともできるし、逆に親密になることもできる。それぞれが保ちたい距離を、周りが邪魔することなく働けるというのが一番のメリットです」

リモートワークでは働き手それぞれが望む距離感を選びやすいと、石倉秀明COOはみる

「一方、オフィスでの勤務の場合、周りと同じように行動することを迫られる『同調圧力』が強く働き、それぞれが快適な距離を保つことは非常に難しい。社内の一体感を出すために会社側が企画するイベントなどに、ストレスを感じる人が一定数いるのが実情です」

「昨今、リモートワークが拡大するにつれ、この新しい働き方を『快適』と考える人と『仕事がしにくい』と考える人に二分されてきているように思えます。前者はある程度、同僚と距離を持ちたいと思う人で、後者は比較的ウエットな関係を望む人に多くみられます。ただ、もともと全く異なる考えを持つ人たちが同じカルチャーの中で働かざるをえないという、従来の勤務形態そのものに無理があったのではないでしょうか」

――リモートワークならではのデメリットはありますか。

「リモートだからうまくいかなかったということは一つも思い当たりません。部署間の連携が悪い、新規プロジェクトがなかなか立ち上がらない、業績が思ったほど伸びない、中間層が育たないなどの課題はありますが、どれもリモート環境ではない会社でも抱えている問題でしょう。同じ場所で働いていないから起こった問題とはとらえていません」

「唯一、デメリットを挙げるとすると、社員が働きすぎてしまうことです。常時オンラインの環境さえあれば、いくらでも働けてしまうので、働きすぎには注意しています。例えば、ある部署では勤務時間が終了する午後5時以降はクライアントへの連絡を禁止するなど、『隠れ残業』を防ぐ工夫をこらしています」

――「全員リモートワークの会社」として中途採用でも人気を集めています。

「柔軟な働き方を希望する人、特に女性からの応募が多くなっています。全国各地に加え、海外在住者を含め、月に1000人ぐらいの応募が集まる状態がここ数年続いていました。最近は新型コロナウイルスの影響もあり、現在の勤務先が休業になったり、通勤を伴う仕事に不安を感じたりといった理由から、入社希望者がさらに増え、足元(3~4月)では1月と比べ、1.5倍から2倍程度に達しています」

「(コロナの影響が出るまでは)リモートワークというと、どうしても『子育て中の女性のための仕事』という印象があったようで、男性はどこか他人事(たにんごと)と思っている人が大半でした。友人に当社のことを紹介しても、「奥さんに紹介しておくよ」と言われたことがありました。当社は『リモートワークを当たり前にする』というミッションを掲げており、今後は男性も含めて、リモートの良さを幅広く認識してもらい、『自分事(ごと)』として取り組む人を増やしていきたいと思います」

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
次のページ
仕事の幅広げ、パラレルワークで専門性深掘り
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら