また辛坊氏はファッションセンスがないと言っていたが、そんなこたぁ決してない。
作業衣からチラリと見えるシャツは、いつもパリっとした白いレギュラーカラーシャツ。どこぞの政治家のように、クールビズで、妙ちくりんなステッチの入ったドゥエボットゥーニ(懐っ!)のボタンダウンシャツなんぞは絶対に着ていない。ちなみにドゥエボットゥーニとは、襟が高く、このため第一ボタンが2つ付いているシャツのことね。
「おしゃれ化」で高まる作業衣人気
たまに締めているタイも基本はシンプルな無地のブルー一択、時々赤の無地になるくらいで、これまたどこぞの政治家やニュースキャスターみたいに、有事の際でも派手なレジメンタルタイなんぞを締めたりしていませんからね。
ちなみに、大阪モデルによる休業要請の解除について記者会見をした時には、すっかりトレードマークになった作業衣を脱いで白いシャツ姿になり、サッと腕まくりして意気込みを見せて、「シャツを腕まくりした姿がカッコいい!」とこれまたネットで大騒ぎになった。やはりイケメン知事は何をやってもサマになるのだ。

実はファッショントレンド的にも、いま作業衣ブランドがブームである。
例えば、かつては安い作業衣専門メーカーだったワークマンが立ち上げた新ブランド「ワークマンプラス」。LLビーンのビーンブーツのようなレインシューズや、ザ・ノース・フェイスのようなシェルジャケット、ストレッチパンツなど、安くて高品質でお洒落(しゃれ)なデザインのワークウエアが大人気で、今や「ユニクロ」に迫る勢いである。
また、その名もズバリ「WWS(ワークウェアスーツ)」は、なんと水道工事会社が立ち上げたワークウエアのブランドだ。はっ水性とストレッチ性に富んだスーツはそのまま作業衣としても着られるお洒落なワークウエアとして話題になっている。
ぜひとも何を着てもサマになる吉村知事に、今どきのお洒落なワークウエアブランドの服を着て、記者会見をしていただきたいものである。その時は「コロナは終息いたしました!」と声高らかに発表されることを、心から願っております。

1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN’S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。
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