壁かけカレンダーのライバルは? 異分野が生む着眼点第5回 「自分らしさ」で勝負する 異分野発想法

◇もしも◯◯が作ったら

以前、ある自動車会社の経営戦略を考えるワークショップをお手伝いした時のことです。その企業のDNAは何かを検討する時に有効だったのが、「もしも◯◯が作ったら」というワークです。

例えば、「もしもこの自動車会社A社が、企業のDNAを生かした上でホテルを作ったら」といったお題で、架空のホテルで行うアイデアを事細かに考えていきます。自動車のアイデアは365日ずっと考えているので難しいですが、考えたこともない「ホテル」というお題にすることで、ずいぶんアイデアが出やすくなります。例えば、次のようなアイデアが生まれました。

●スムーズに開く気持ち良いトビラ

●海と空が見える開放的なパノラマ窓

●自分で収穫した野菜を使った素朴な料理

などのアイデアを出した後、最後に「このホテルのコンセプトは何か」を話し合います。

例えば「過剰なおもてなしではなく、自宅のように馴染める、自然に近いホテル」という言葉に集約できたとします。最後に、この言葉は自分たちが普段自動車作りでも意識しているものと共通する点があるのか、といった観点で議論を重ねます。すると、意外にも共通するところが多く、自社のDNAを考える上でスムーズに言語化ができて、大変役に立ちました。

また、同じ会議で次のようなワークもあわせて行いました。

●もしもスマホメーカーが自動車を作るとしたら

●もしも老舗のホテルが自動車を作るとしたら

●もしもスポーツブランドが自動車を作るとしたら

それぞれの質問に対してアイデアを考えた後、先ほどと同様に「その自動車のコンセプトは何か」を話し合います。すると、共通する重要な点が見えてきたり、自分たちとこのブランドは似ているが、このブランドは違う、といった差異も見えてきます。

企業のDNAは単独で見つけようとすると難しいものです。ですので、他社と比較しながら相対的に見つけていくしかないのですが、その際に従来の競合企業ではなく、このように「隠れたライバル」的な視点を持って考えることで、新たな「着眼点」を得ることができます。

ぜひ、あなたの企業が扱っている商品も、上記のような視点で考えてみてください。

岡田庄生
博報堂ブランドイノベーションデザインディレクター。1981年東京都生まれ。国際基督教大学卒、2004年博報堂入社。PR局などを経て、現職。14年に日本PR協会「PRアワード2014」優秀賞受賞。共著に『博報堂のすごい打ち合わせ』など。

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