第2世代iPhone SEの出足は限定的 初代の1.25倍止まり大河原克行のデータで見るファクト

第2世代iPhone SEの出足は初代の1.25倍止まりだった
第2世代iPhone SEの出足は初代の1.25倍止まりだった

新型コロナウイルスの感染拡大により、量販店やキャリアショップの休業および営業時間短縮が行われるなかでの発売となった第2世代のiPhone SE。「3密(密閉・密集・密接)」を避けるため、アップル直営店「アップルストア」のオンライン販売や、量販店(オンラインを含む)ではSIMフリー版を4月24日から、NTTドコモやau、ソフトバンクの携帯大手3社のキャリア版は5月11日から販売を開始するという2段構えの対応となった。SIMフリー版の購入手続きには、それほど時間はかからないが、携帯電話各社のキャリア版の契約には時間がかかりがちで、3密が生まれやすいからだ。

全国の家電量販店や電子商取引(EC)サイトのPOS(販売時点情報管理)データを集計しているBCN(東京・千代田)の調査によると、大手3社の出荷が始まった5月11日から13日の3日間の販売台数(SIMフリー版を除く)は、2016年3月発売の初代iPhone SEの1.25倍となった。だが、17年9月に発売のiPhone 8が、初代iPhone SEの3.45倍の売れ行きになっていたことと比較すると、出足は限定的だった。

今回のBCNの集計は、キャリア版の販売数量を、発売3日間で比較したものであり、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、人気製品がどんな売れ行きを見せたのかを示す指標の一つといえる。第2世代のiPhone SEが初代を上回る実績を残した点は評価できるが、事実上の従来モデルであるiPhone 8に比べて、販売数量が大きく下回った点は、やはり販売店の休業や営業時間短縮の影響、外出自粛の影響が出ているといってよいだろう。

ちなみに、この3日間のスマートフォンの機種別販売台数シェアを見ると、iPhone SEが一気にトップシェアを獲得。同製品の発売を待ちわびていたユーザーが多いことがわかる。アップルストアで下取りを利用すると、実質2万9800円から購入できるプランを用意するなど、購入しやすさが訴求点の一つとなっているのだろう。

Android搭載スマホの売れ筋上位5機種を見ると、ソニーモバイルコミュニケーションズのXperia 5を除くと、1万円台から3万円台の製品が占めている。iPhone SEは、こうした価格帯の製品群の勢力図にも影響を与えそうだ。

AR機能で疑似体験

今回のiPhone SEは、実際に手に持ってみると、その良さが理解できる。それだけに、アップルストアが休業状態にあるなど、実際に手に持つ機会が限られる環境下では、iPhone SEの特徴が直感的には伝わりにくいのも確かだ。たとえば、最新CPU(中央演算処理装置)「A13 Bionicチップ」の処理性能を生かして様々なシーンに最適な写真撮影を行える点などは、触ってみないとなかなかわからない。

第2世代のiPhone SEを紹介するアップルのウェブサイトでは、画像や動画を活用してその機能や特徴を紹介している。またiPhoneあるいはiPadのウェブブラウザー「Safari」で閲覧すると、現実の映像にCG(コンピューターグラフィックス)などを重ねる拡張現実(AR)機能でiPhone SEを表示し、机に置いてみた雰囲気などを疑似体験できる。

拡張現実(AR)機能で第2世代iPhone SEを表示してみたところ

こうした取り組みもコロナ禍における新たなマーケティング手法の一つとなるだろう。

(ライター 大河原克行)

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