出しやすい・頑丈…カード派に便利なミニ財布3選
特集 キャッシュレス時代のミニ財布(中)
スマホ決済の普及や、ビジネスリュックを用いる人が増えたことで、財布の昨今のトレンドは「ミニ財布」に。パンツのポケットに入れても邪魔になりにくいコンパクトな財布に注目が集まっている。そこで今回は、種類別に3回に分けて紹介する。
札を折りたたまずに入れられ、小銭とカードも収納できるオールインワンのミニ財布を紹介した前回記事「ミニ財布オススメ3選 小銭もカードもすっきり収納」に続き、今回は、カード収納スペースが充実した注目作を取り上げる。クレジットカード、電子マネー、ポイントカードなど、まだまだカードの出番は多い。キャッシュレス時代の財布選びは、カードとの親和性にも着目したい。
蛇腹式のカードポケットが使いやすい
東京・銀座に工場併設店を構えるクラウストルム。その場所柄、キャッシュレス先進国からの海外の顧客も多く、彼らの要望に応えて、紙幣を収納できるカードサイズのミニ財布を2019年8月に製作。国内のユーザーから「コインも少し入るものが欲しい」との声があり、同年10月に本作を発売した。
最大の特徴は、財布を開くと大きく広がる蛇腹式のカードポケットで、ひと目でカードを見つけられる。ポケットが浅く、カードを取り出しやすい点も特徴となっている。そして上部にはコインポケットを備え、札も折りたたまずに入れられるため、ミニサイズながら日常使いには十分に対応する。
本体素材は、厚さ0.075mmの極薄かつ強靭(きょうじん)な産業用のポリエステルフィルムと本革を使用し、リベットで締結した。6ポケットの蛇腹式カードケースとコインポケットがあるにもかかわらず、財布をつぶした状態の厚みはわずか9mmに抑えられている。
表面のステンレス製プレートは、同ブランドの商品であることの象徴で、本体の剛性を保つリベットを締結する構造を担う。
「発売から現在に至るまで、卸売り、直販ともに毎月好調な売り上げを維持している人気アイテム」(クラウストルムを手がけるSTEELの代表 遠藤健史氏)。国内外問わずファッションやデザインに関心が高い人、特にクリエーター職の人から支持されているという。
スキミング被害を防ぐカード専用財布
普段の買い物はキャッシュレスがメインで、ほとんど現金を持ち歩かないという人におすすめなのが「the RIDGE WALLET」だ。米カリフォルニア州生まれのこの財布は、フロントポケット用の財布として機能性とデザイン性を追求、コンパクトで使いやすいカード専用財布として14年に日本に上陸した。
2枚の金属板を特殊なゴムでつなぎ合わせた構造になっており、このすき間にカードを収納する仕組み。薄型ながらカードを最大で15枚収納でき、背面には紙幣を折りたたんで挟めるストラップも付いている。
使用されているゴムは耐久性と弾力性に優れており、カード1枚でもしっかりホールドでき、15枚のカードを収納し続けてもゴムが伸びきるようなこともない。金属プレートの3方を幅広のゴムでつなぎ合わせているため、もちろんカードが落ちる心配もない。底部にはくぼみがあり、指でひと押しすればカードの頭が出てくるため、素早く取り出せるのもポイントだ。
また、カード情報を盗み取る「スキミング」への対策として、「非接触型カード防犯機能」も備えている。外装の金属板の内側にアルミ製プレートを貼り、金属板が壁となって、磁気カードの情報へ遠隔からアクセスすることを防ぐ。
「売り上げは好調に推移しており、購買層は20~60代と幅広い」と話すのは、グレイシーズ(the RIDGE JAPAN)代表の大庭康文氏。男性ユーザーが多いが、近年ではミニバッグなどの流行により、女性ユーザーも増加しているという。
財布としての機能を備えたカードケース
このアッソブのカードケースは、背面にコインポケットを備えるなど、機能も見た目も財布として活用できる。
フラップを開けるとカードポケットが3つ現れ、うち2つはササマチ(横から見ると底に向かって細くなっているマチのこと)付きで、カードを複数枚収納できる。また、札入れこそないものの、このカードポケットはマチの幅と深さがあるため、紙幣を折りたたんで入れることが可能だ。
背面にはファスナー付きのコインポケットがあるため、小銭もしっかり収納できる。コインポケットの外装にもカードポケットがある。交通系ICカードを収納することを想定して作られており、ここに使用頻度の高いカードを入れておけば支払いがスムーズに行える。
素材には、イタリア・トスカーナ州の「ベジタブルタンニンレザー」と呼ばれる革を使用。手になじむしっとりとした質感と、天然のシボによる表情が魅力だ。また、使えば使うほどに味わいを増すエイジングにも期待できる。また、取り外し可能なレザーストラップも付いており、抜群の収納性と重厚感のあるデザインで、カードケースでありながらメイン財布として十分機能する。
アッソブを展開するアンバイのプレス齋藤親子氏によると、主な購買層は30~40代のビジネスパーソンだという。続けて、「Suica(スイカ)など交通系ICカード入れが付いているかどうかが、都市部のビジネスパーソンには大切なポイントになっている印象がある」と話す。
(ライター 津田昌宏、写真 宮前一喜=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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