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麺もスープもこだわった「濃厚豚骨」食べるなら

濃厚ラーメンかなやの店舗は、絶え間なく車が行き交う環状7号線沿いにある

■濃厚ラーメンかなや【東京都杉並区(最寄り駅:方南町)】

豚の持ち味を極限まで生かし切る。「うまい」を知り尽くした達人の1杯を是非!

ロケーションは、東京メトロ丸ノ内線(分岐線)の終着駅「方南町」駅から徒歩3分程度。時間帯を問わず、絶え間なく車が行き交う「環状七号線」。そんな東京の大動脈を見据える形で佇(たたず)む店舗が、次にご紹介する『濃厚ラーメンかなや』だ。

同店は2018年2月、惜しまれつつも暖簾(のれん)を畳んだ家系ラーメンの名店『桂家(2017年10月8日閉店)』の店舗を譲り受ける形でオープン。若手ラーメン評論家(当時)、東京・町田市の実力店、都内古着屋の3者が共同運営する。現在、厨房を主に切り盛りする山内直人氏(元・若手ラーメン評論家)は、高校在学中から日本で一番ラーメンを食べる「ラーメン高校生」としてその名を轟(とどろ)かせ、その後、ラーメン評論家へと転じたラーメン界のビッグネーム。

ラーメンへの造詣が深く、アマチュア時代から対決型のテレビ番組で、プロ評論家を知識面で圧倒するなど、類まれな存在感を放ってきた。『濃厚ラーメンかなや』は、ラーメン評論家として活躍していた頃から「将来的には、ラーメンを作る側に回りたい」と語っていた山内氏の「夢」を実現する牙城ともいえる。

屋号を冠した、かなやの「濃厚ラーメン(太麺)」。このスープにしてこの麺あり」だ

そんな同店が提供するのは屋号を冠した基本メニュー「濃厚ラーメン」やそのバリエーション、汁なし系の人気メニュー「台湾まぜそば」など。初訪問時に是非、召し上がっていただきたいのは、券売機筆頭メニューの「濃厚ラーメン」である。

「濃厚ラーメン」のほか、汁なし系の「台湾まぜそば」も人気

きめ細やかな下処理で臭みを除去した豚骨をじっくりと丁寧に炊き上げ、コクを十二分に引き出したスープは、味蕾(みらい)に触れたら最後、唾液腺からアミラーゼの放出が止まらなくなるフルボディーの味わい。甘み豊かな背脂を効果的に活用し、啜り上げた瞬間、ほおが落ちるようなうま味の「核(コア)」を効果的に作り出す手腕にも感心させられる。

スープに合わせる麺のチョイスも、さすがのひと言に尽きる。「太麺」と「極細麺」の2種類から選べるが、個人的におススメしたいのは「太麺」。豚のうま味が一滴一滴に凝縮された芳醇なスープに、勝るとも劣らない存在感を誇示。チュルンと滑らかな啜り心地と、強靭(きょうじん)なコシを併せ持つクオリティーの高さは、「このスープにしてこの麺あり」。手放しでの称賛に値する。

山内氏は作り手へと転身する前、数多くのラーメン関係のイベントに足を運び、様々なラーメン店の厨房で腕を磨いた「熱意」の人でもある。1杯の丼から、その研さんの跡が確かに伝わってきた。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。
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