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麺もスープもこだわった「濃厚豚骨」食べるなら

膨大な時間と労力を注ぎ込んだ「麺や木蓮」の「半熟味玉豚そば(さらり・油多め)」
膨大な時間と労力を注ぎ込んだ「麺や木蓮」の「半熟味玉豚そば(さらり・油多め)」

新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言解除の動きがある一方で、首都圏などでは特定警戒の維持が続く。移動自粛が求められる中、今回のコラムでは、私がこれまでに訪れた「豚骨ラーメン」店の中でも特におススメの2軒をご紹介することにしよう。ストレートなうま味とコク、ガッツリと胃袋にたまるボリューム感が何といっても特長の豚骨ラーメンは、誕生から幾星霜の時を経てもなお、若年層を中心に根強い支持を獲得し続ける、ラーメン界のロングセラー商品。コロナ終息の際には是非、足を運んでみていただきたい。

■麺や木蓮【千葉県鎌ヶ谷市(最寄り駅:くぬぎ山)】

豚骨スープにほれ込み豚骨ひと筋を貫徹。店主のブレないラーメンづくりへの姿勢に感服!

「豚という素材の魅力の虜(とりこ)となり、2010年の開業以来、ひたすら純豚骨スープを作り続けてきました。試行錯誤を重ね、現在の味にたどり着いたのが、ほんの1年前。思えば長い道のりでしたよ」と笑う荒井清一店主。

ゲンコツ・豚足・豚頭・豚背ガラなど、豚を構成する部位を総動員して創り上げるスープは、そのうま味のほとんどが「髄」に由来する。4年前から、提供する味の安定化を図ろうと毎日の営業で残ったスープを捨てずに継ぎ足す「呼び戻し」の手法を導入。膨大な時間と労力を注ぎ込んだ1杯は、今や、豚骨ラーメンの聖地・福岡県久留米市の名店のそれと肩を並べるほどの完成度を誇る。

トレーラーを改造した「麺や木蓮」の店舗

幾種類もの麺メニューをそろえるが、まず召し上がっていただきたいのは、基本メニューの「豚そば」。支えなしで箸が自立するほど濃厚な「クリーミー」、香り豊かなラード油とのコラボレーションで魅了する「さらり」、上質な背脂を浮かべコクを増幅させた「背脂浮かぶ」の3種類のスープを手掛け、注文時に客は「お好み」のスープを申告する。

「開発に当たって最も力を入れたのは、それぞれのスープについて、お客さんの味覚に刺さりそうなポイントを作ることでした。嗜好は人それぞれ。サラリとしたスープが好きな人もいれば、ガツンと濃厚なスープを好む人もいる。3種のスープの合わせ技で、『美味(おい)しい』と言ってくれる食べ手の数を増やしていく。開業から10年かけて、ようやく確立したスタイルです」

現在、一番人気のスープは「さらり」とのこと。そのスープに大量の油を注ぎ込んだ「油多め」が、荒井店主のイチ押しだ。肉を排し豚骨のみで作るスープは8、9時間かけて強火で炊いた後、更に3、4日熟成させて、うま味をなじませるこだわりよう。そのスープに、香ばしいラード油とカリッと揚げた背脂を加え、口に入れた刹那、脳内からドーパミンが噴出する至福の味わいを演出することに成功している。

店主のイチ押しは1番人気のスープ「さらり」に油を注ぎ込んだ「油多め」

スープに合わせる麺は、名門製麺所『大成食品』と共同開発した渾(こん)身の自信作。啜(すす)り心地やスープとの相性の良しあしを吟味し、完成させたのは、切り刃26番の断面が丸い細ストレート麺。スープにしんなりと馴染み、芳醇(ほうじゅん)なスープの持ち味を一層引き立たせる役割を果たす。

「ラーメン自体はもちろん、ニンニク、高菜などの卓上トッピングに至るまで一切の妥協はありません。トッピングも積極的に試していただき、自分好みの味を探してもらいたい」と店主は胸を張る。確かに、あらゆるトッピングが、スープに好転的な変化をもたらす「名バイプレーヤー」と化していた。豚骨ラーメン好きなら是非、足を運んでもらいたい優良店だ。

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