研修と逆のフレームワークで行動を学んでゆく

このような状況を乗り切るためには、少なくとも業務を進めるための最低限の知識が必要です。そのために先進的な会社の一部では、オンライン研修の実施を準備しつつあります。

たとえば弊社では6時間の評価者研修を、15分刻みの動画と、複数のチェックテストやケーススタディーのコンテンツにまとめることで、好きなタイミングで実施できるようにしています。進捗管理のためにはLMS(Learning Management System)を活用し、人事部が一人一人の進捗状況をリアルタイムで把握できるようにしました。

会社がこのような教育システムを用意してくれればいいのですが、もしそうでないとすれば、新入社員や新任管理職の立場で、なにをどうすればよいでしょう。

その場合には、やがて教育が実施されるまでの期間を待ちながら、自らの働き方に学びを取り入れてゆくことが重要です。

体系的な学びができない状況であれば、日々の業務を学びに変えるのです。

そのために必要なことは、研修と逆のステップで考えることです。

必要な知識やスキルを得て行動に反映するのではなく、どんな成果が求められるのかを理解して、そのための行動をとっていくことです。これを実践学習のフレームワークとして定義できます。

実践学習のフレームワークでは、新入社員でも新任管理職でも、まずどんな成果を求められるのかを確認するところから始めます。

たとえば新人の営業ならまず受注することなのか、あるいは受注にいたるまでのリード(見込み客)を作ることなのか、など求められる成果を具体化します。

新任の管理職なら、今までは自分の受注を確保することが成果だったかもしれませんが、これからは部署としての総合的な受注量をあげることが求められるように変わっているかもしれません。だとすると求められる成果も目の前の売り上げではなく、3カ月や6カ月先の売り上げ確保でありそのために先々手を打つことなのかもしれません。

それらの成果がはっきりすれば、どんな行動をとるべきかがわかってきます。

仮にそのための知識やスキルが足りなかったとしても、何が足りないのかがわかってくるので、補うことも容易になるのです。

そしてこのようなフレームワークの変化は、実は多くの企業に次の変化を促しつつあります。それはメンバーシップ型の組織から、ジョブ型の組織への変革です。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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