新型コロナでキャリア不安 副業を考えるポイントは?仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(9)

2020/5/20
安易に副業を始めると「ひとりブラック企業化」の危険性も(写真はイメージ=PIXTA)
安易に副業を始めると「ひとりブラック企業化」の危険性も(写真はイメージ=PIXTA)

「キャリア迷路(モヤキャリ)」から抜け出すためのコミュニティーを主宰する池田千恵氏は、新型コロナウイルスの影響で今後、将来不安や収入減少補填のための副業ニーズが高まると指摘します。ただし、安易に副業を始めてしまうと「ひとりブラック企業化」につながる危険性もあるといいます。長期化するコロナに対応するための戦略的な副業の選び方について池田氏が解説します。

収入減から副業を視野に入れる人は今がはじめどき

長引くコロナ禍のなか、在宅勤務などによって残業代がなくなったり、会社の売り上げ減少によって手取り額が減るなど、多くの人が収入減に悩まされています。こうした直接的な収入源を補う目的や、雇用の先行き不安に備えるなどの理由で副業を考える人が増えています。在宅勤務で移動時間がなくなったことで「スキマ時間」が生まれたことも、副業を後押ししているようです。

今回の出来事で多くの方が気付いたのは、今まで順調だった会社もあっという間に業績がひっくり返り、世の中の常識も数カ月で変わるという事実です。会社に「おんぶにだっこ」は、もう通用しないことが分かった今、収入の柱を増やしておこうと考えるのは自然の流れでしょう。オンラインの事務代行やデリバリー配達員など、今は登録してすぐマッチングできるサイトやアプリもあります。手軽に始める環境も整っているので、会社の就業規則で問題がなければ、副業を視野に入れる好機かもしれません。

副業の課題は「時間管理」

しかしここでの悩みどころは「時間管理」です。

求人・転職支援サービスのエン・ジャパン(東京・新宿)が総合転職支援サービス「エン転職」上でユーザー約1万人に実施したアンケートでは、2019年8月の段階ですでに41%が副業を希望しているという結果が出ました。コロナ禍の中の今はさらに増えていることでしょう。

副業に興味がある理由は「収入を増やしたい」が最多の88%でした。副業経験がない人の不安トップ3は「手続きや税金の処理が面倒」(52%)、「本業に支障が出そう」(46%)、「過重労働で体調を崩しそう」(41%)でした。これらの不安はいずれも突き詰めると「時間がない」ことに起因します。

コロナ禍でオンライン化が進み、今までより時間があるはずなのになぜかはかどらない、という話はよく聞きます。「時間がある」と思うとついダラダラしてしまったり、あれこれと資料を直し続けて結局ぎりぎりまでかかったりしますよね。

英国の政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンは、「仕事は、完了するために割り当てられた時間に応じて 複雑なものへと膨れあがっていく」(パーキンソンの法則)と述べているように、在宅勤務で時間が増えたからといって多くの仕事を効率よくこなせるわけではないのです。

ましてや副業は、自分の時間をもう一つの組織のために費やすことです。1社のみで働き、自由な時間が増えた自粛中でさえ時間管理に悩む人が多い中、副業をしようと思うなら、よっぽど工夫をしないと回りません。

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