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スズキ・イグニス 心地いい加減速の5ナンバーSUV

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webCG

軽自動車よりちょっと大きな5ナンバーサイズのコンパクトSUVとして、2016年に登場した「スズキ・イグニス」。ニューモデルの登場で盛り上がりを見せるこの市場で、その商品力は「今なお健在」といえるのか? よりSUVテイストを強めた新グレードで確かめた。

ニッチな市場に3車種も

2019年末に「ダイハツ・ロッキー」と「トヨタ・ライズ」が登場するまで、5ナンバーSUV市場はスズキの独壇場だった。それ以前には、5ナンバーサイズにおさまるSUVはスズキしかなかったからだ。しかも、スズキはそこに「ジムニーシエラ」に「イグニス」「クロスビー」の3車種を取りそろえるのだ。

全長3.7mのイグニスは、軽自動車(以下、軽)をのぞけばシエラに次いで、日本で2番目に小さいSUVとなる。見るからにSUVらしいシエラやクロスビーとはちがって、イグニスには「SUVというより背高ハッチバック!?」との印象をもつ向きも多いだろう。しかし、イグニスの最低地上高は180mm。これは「ハーテクトA」プラットフォームを共用するクロスビーと同寸(ちなみに両車はホイールベースも共通)であり、同じくハーテクトAを使う「ソリオ」より40mm大きい。つまり、イグニスのハードウエアは、一応はちゃんとSUV(?)としてつくられている。

ところで「ハーテクト」と総称されるスズキ最新のプラットフォームには、大きく「K」「A」「B」の3種がある。Kはご想像のとおり軽用だが、開発担当氏によると、そのKも含めて、基本的にクルマの"全幅"を基準としてプラットフォームを使い分けているそうだ。

イグニスにも使われているハーテクトAは基本的な全幅が1670mmまでの車両に対応しており、それ以上はハーテクトBが原則。よって、同じ5ナンバー幅でも、全幅1695mmの「スイフト」にはBが使われている。ちなみに、さらにワイドな「バレーノ」も当然のごとくBだ。

スズキでは最上級プラットフォームとなるハーテクトBは、最大で1800mm弱の全幅を想定しており、最終的にはCセグメント車までカバーする設計となっている。もっとも、現在の「エスクード」や「SX4 Sクロス」はハーテクト以前に開発された、いわば旧世代。ハーテクト化されるとすれば、次期型以降となる。

専用の内外装でSUVテイストを強調

話をイグニスに戻すと、このクルマは2020年2月に"一部改良"を受けた。現行イグニスとしては発売から丸4年で初の手直しなのだが、マイナーチェンジではない。……というか、意匠に変更が加わっているので専門的には一部改良でも、われわれ素人のイメージでは、場合によっては"仕様変更"と呼んでも差し支えない程度(?)の軽微な変更でしかない。

今回の変更内容でもっとも目立つのは、ジムニーやエスクード、SX4 Sクロスなど、一連のスズキSUVに通じる縦型モチーフを取り入れたフロントグリル(と同色化したリアバンパー)と、今回の試乗車でもある新グレードの追加だ。ほかにはメーター盤面や内装調度の細かい手直しのほか、先進安全運転支援システム(ADAS)の「デュアルカメラブレーキサポート」や、助手席シートヒーター、オートライトの全車標準化などが挙げられる。

ADASやシートヒーターの装備拡充はいかにも今っぽい仕様変更だが、なかでもオートライトの全車標準化はまさに時代の要請だ。知っている人も多いように、日本でもこの2020年4月以降に発売される新型車からオートライトが義務づけられた。現時点でのイグニスは対象外だが、継続生産車も2021年10月販売分から義務化されるので、今後は現行モデルも順次対応していくことになる。

今回試乗した新グレードの「ハイブリッドMF」は、見てのとおり、ルーフレールやオフロード風バンパーデザイン、そして地上高やホイールアーチを大きく見せるモール……といった、定番的な手法でSUV風味を増強したモデルである。ただ、この手法を使ったイグニスは初登場ではなく、今回は2016年11月に発売された特別仕様車「Fリミテッド」をアップデートしたうえで正式グレードに昇格させたもの……と考えていい。

デザインと走りに見る"ならでは"の魅力

デザインや装備が新しくなったイグニスだが、1.2リッターエンジンやベルト駆動ISG(=スターターモーター兼発電機)によるマイルドハイブリッドを含め、主要ハードウエアには今回は手が入っていない。

この新グレードも、特徴は外観コスメ部品にレザー調シート表皮、そして防汚ラゲッジフロアなどの実用部分だけであり、地上高やシャシーチューンは他グレードと共通である。確認したところ、タイヤも銘柄、サイズとも4年前に試乗したイグニスと同じだった。

それにしても、イグニスはすっかり見慣れているはずだが、あらためてスズキのデザインセンスに感心する。3.7mという短い全長は、前後オーバーハングを極限まで削り取ったことで、さらにギュッと凝縮して見える。追加アーチモールで拡幅された新グレードでも全幅はわずか1690mm(他グレードのそれは1660mm)だが、明確にふくらんだオーバーフェンダーによって、ナロー感はまるでない。

軽が本業(?)のスズキデザインは、普段からゼロコンマmm以下(!?)という極限のせめぎ合いで鍛えられている。それだからか、こうして軽のカセから解放してあげただけで、5ナンバーサイズ内でも、これだけ自由に遊んでいる感を醸し出す。さすがのデザイン力だ。

マイルドハイブリッドといっても、スズキのISGは低出力型で、動力性能を明確に後押しするものではない。だから、アクセルペダルを深く踏み込んだときのピーク付近の力感は「まあ、こんなもんだろうな」という実用車の域を出ないレベルである。

ただ、その手前の過渡域でとても活発なピックアップを感じさせるのは、スズキのハーテクト車共通の自慢である軽さのおかげだろう。試乗したイグニスの車重はわずか880kgしかなく、同じパワートレインのスイフト(もまた、このクラスでは異例に軽いが)よりさらに30kg軽い。

予防安全装備は物足りない

積極的に加減速したときの快活で心地よい一体感は、前記の軽さに加えて、しなやかに荷重移動して素直に曲がるシャシーによるところも大きい。SUVならではの余裕あるサスストロークがその一助になっているのも明確で、市街地での乗り心地もこのクラスでは望外に快適だ。絶対的な静粛性はさほどではないが、突き上げをうまく吸収するアシのおかげで、高速でも実際以上に静かに感じる。

それにしても、こういう軽量グルマでの乗り心地と操縦性の調律は、スズキの得意とするところだ。しかも、後席の乗り心地をスイフトやクロスビーより割り切っているのか、リアがしっかり水平に踏ん張ってくれる。その操縦性は純粋なトライバーズカーとして、より好ましい。

荷重移動による姿勢変化はすみやかだが、ストロークしきってから最後までねばるコシの強さも悪くない。上級のハーテクトBプラットフォームを使うスイフトと比較すると、剛性感や静粛性ではゆずる。しかし、さすが欧州でもエントリーモデルとして展開されるだけに、イグニスは日本の法定速度をはるかに超える領域でもそれなりに走ってくれる予感もある。

そんなイグニスの、せっかくの4年ぶりの改良メニューに、ADAS方面のアップデートが含まれなかったのは残念だ。イグニスのそれは、同じハーテクトAプラットフォームのクロスビーにはつく後退時の誤発進抑制機能と、同じく後退時のブレーキサポートがいまだに備わらない。ソリオには加えてアダプティブクルーズコントロールの用意もあるが、イグニスにはない。

こういう細かいツッコミを入れたくなるのも、イグニスの商品力が今なお現役感バリバリだからだ。その優しくしなやかで一体感あるシャシーはいい意味でフランス車を思わせるし、デザインはいまだ新鮮である。ちなみに、SUVということで4WDを視野に入れる人も少なくないはずだが、オンロードでの走りにかぎるなら、リアの安定感が明確に高いFFのほうが個人的にはオススメだ。

(ライター 佐野弘宗)

テスト車のデータ


ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3700×1690×1605mm
ホイールベース:2435mm
車重:880kg
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター直4 DOHC 16バルブ
モーター:直流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:91PS(67kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:118N・m(12.0kgf・m)/4400rpm
モーター最高出力:3.1PS(2.3kW)/1000rpm
モーター最大トルク:50N・m(5.1kgf・m)/100rpm
タイヤ:(前)175/60R16 82H/(後)175/60R16 82H(ブリヂストン・エコピアEP150)
燃費:30.4km/リッター(JC08モード)/25.0km/リッター(WLTCモード)
価格:183万9200円/テスト車=214万9895円
オプション装備:全方位モニター用カメラパッケージ(5万5000円) ※以下、販売店オプション フロアマット<ジュータン、ピアチェーレ>(2万0515円)/スタンダードプラス8インチナビ<パナソニック>(16万5605円)/オーディオ交換ガーニッシュ(4400円)/アンテナ変換ケーブル(2750円)/ETC車載器(2万1120円)/ビルトイン取り付けカバー(3575円)/ドライブレコーダー(3万7730円)

[webCG 2020年5月11日の記事を再構成]

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