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相棒は「スライドボード」と「ぶら下がり器」

実は先日、新しいトレーニング用品を購入しました。それは、「スライドボード」と「ぶら下がり器」です。スライドボードは、スピードスケート選手のように低姿勢で左右に横滑りする運動ができるものです(写真左)。1日中家にこもる生活が続くと股関節の可動域が狭くなりがちです。そんな股関節を大きく動かすために使いたいと思っています。

(左写真)アスリートの愛用者も多いというスライドボード。エクササイズ用シューズを履き、その上から専用のカバー(左写真中央)を装着すると、ボードの上でなめらかに足を滑らせることができます。 (右写真)届いたばかりのぶら下がり器。自重を利用して背骨や背中周りの筋肉を無理なく伸ばすことができます。

ぶら下がり器(写真右)は、棒にぶら下がることで背骨や背中周りの筋肉を無理なく伸ばすことができます。自重を利用した、体幹の関節を緩めるストレッチになります。以前から背骨や腰骨が詰まっているような違和感があり、調子もあまり良くありませんでした。今まで忙しくてなかなか整骨院やピラティスなどに通えなかったので、外出自粛要請で時間が生まれたタイミングで、何とか家で改善できないかと思って購入しました。

リモートワークが続いて、長時間座りっぱなしの人や、ノートパソコンに向かいながら猫背になってしまっている人も多いように思います。そうした人たちにとっても、背中を伸ばすことは大事だと思います。わざわざ「ぶら下がり器」のようなものを購入しなくても、お風呂上がりに寝転がってグッと伸びをしたり、家族に足首を軽めに引っ張ってもらいながらゆらゆら左右に揺らしたりすると、日常生活で縮こまっていた背中周りの筋肉が伸びて気持ちがいいですよ。

ストレッチ用のポール(円柱状の硬めのクッション)があれば、それを背中と床の間において、左右にゴロゴロ転がすのもいいでしょう。フェイスタオルの両端に結び目を作って左右の手の親指をひっかけ、そのまま首の後ろに持っていくのも、手軽な肩甲骨のストレッチになります(写真)。

タオルを使った手軽なストレッチ。両端に結び目を作り、親指をひっかけて首の後ろに持っていきます(写真は有森さんがFacebookで公開した動画から)。

自宅でなかなかできないのが有酸素運動ですが、ランニングほどの強度はないにしても、踏み台昇降はオススメです。踏み台昇降用のステップ台があればそれを使って、なければ、家の中にある10~30センチの段差を使って取り組むのもいいかもしれません。ケガを防ぐためにも、体重をかけても壊れない台を使うようにしてください。また、自宅やマンション内に階段があれば、それを上り下りするのも有酸素運動になります。

適度な運動で、免疫力を低下させないことが大事

最近は、エクササイズが楽しめるゲーム機器や、エクササイズを指導してくれるオンライン動画などもありますので、そうしたものを利用して、筋トレやヨガ、ラジオ体操、ダンスなどにトライしてみてもいいと思います。

ただし、張り切りすぎには注意が必要です。生活環境がガラリと変わり、「コロナうつ」という言葉が出始めているぐらい、自分でも気づかないうちに不安やストレスを抱えている人は増えているはずです。そんな時に自分を追い込むような激しい運動をすると、精神的な疲労とトレーニングによる疲労が重なって、免疫力が低下する恐れも考えられます。新型コロナウイルス感染症にかからないため、あるいは、かかっても重症化しないためにも、今は免疫力を上げることが大事です。規則正しい生活や、バランスの良い食事、睡眠をしっかりと取って、その上で適度な運動を心がけるようにしましょう。

(まとめ:高島三幸=ライター)

[日経Gooday2020年5月12日付記事を再構成]

有森裕子さん
元マラソンランナー。1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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