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在宅でも「マー活」挑戦 冷凍汁なし担々麺の食べ比べ

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NIKKEI STYLE

新型コロナの緊急事態宣言が解除されたとはいえ、なかなか外食ができない今、日々の三度の食事に苦労している人も多いのではないでしょうか。自分のレシピに限界を感じた時、スーパーで手軽に買える冷凍食品が便利です。中でも汁(スープ)なしのスパイシーな麺料理は、家庭で再現するのが難しい専門店並みの味を楽しむことができ、汁がないので電子レンジ加熱も短時間でOK。さらに、ここ数年の激辛トレンドや、「マー活」の言葉も飛び出したシビれるような辛さの麻辣ブームの流れを受け、昨年あたりから冷凍食品メーカー数社が相次いで「汁なし担々麺」を登場させています。

そこで今回は、冷凍の「汁なし担々麺」を食べ比べ。トウガラシのピリ辛さ、中華料理で使われる花椒(ホアジャオ)のシビれ感、ゴマを使った「芝麻醤(チーマージャン)」のクリーミーなコクなどが魅力。どれもここ1年で発売やリニューアルされた新顔なのでチェックしてみましょう。

具材も麺もボリューム大!別添スパイスで辛さも自在に

冒頭の写真左上から試食スタート。日清食品冷凍「冷凍 日清中華 汁なし担々麺 大盛り」(360グラム/税込み200円前後)は2014年に発売、19年9月にリニューアルされた人気商品です。花椒入りの辛味スパイスがついており、好みで辛さが調節できるのが特徴となっています。

別添のスパイスを取り外し、内袋のまま電子レンジ(600W)で6分温めます。箸で混ぜながら皿に盛りつければ調理完了。開封直後からスパイシーな香りが食欲をそそります。

まずは別添スパイスを加えずに試食すると、ゴマのコクや甘みが前面に出ており、辛味は少しピリッとする程度でとてもマイルド。辛い物が苦手な方でも食べられそうです。次に別添のスパイスを一袋分入れて混ぜてみると、トウガラシの辛さと花椒のシビれが強く刺激的になり、本格的な味になりました。もっちりとした平打ち麺は食べ応えがあり、男性のランチ1人分としても十分なボリューム。価格を加味すると今回の4品の中ではコスパが一番いいと感じました。

同社マーケティング部の物江咲紀さんは、「本格的な"シビ辛(シビれ+辛味)"が好評の商品です。お客様からは、繰り返し食べたくなる、別添スパイスで自分の好みに調整できてうれしい、などの声が寄せられています」とのこと。辛口志向の人からも支持を受けているようです。

「"シビ辛"味は実はハイボールと好相性。今年4月にはアサヒビールさんのブラックニッカとのコラボキャンペーンも実施しました」(物江さん)。数量限定で通常の汁なし担々麺の別添スパイスを2倍量にし、ブラックニッカで作るハイボールとの相性の良さを提案したところ、「刺激的な味はドライなハイボールによく合うと反響が大きく、SNS(交流サイト)でもコメントが多く寄せられました」とのこと。家飲みハイボールとも試してみたくなりますね。

【ここがポイント!】
・花椒入りトウガラシのスパイス付き!辛さ調節が可能
・360グラム入りと大盛りで食べ応えあり

シビ辛    ★★☆☆☆~★★★★★(調節可能)
クリーミーさ ★★★★☆
コスパ    ★★★★★

シビれ強め!専門店のような奥深い味わい

次は今年2月に発売されたキンレイの「お水がいらない 汁なし麻辣担々麺」(264グラム/税別300円前後)を試食してみました。

こちらも袋のまま電子レンジ(600W)で4分40秒加熱。麺の上にあるタカの爪が目を引きます。

袋を開けると、花椒の香りが一気に広がります。細めの平打麺はコシが強いので食感が楽しく、ひき肉の甘みやうま味が濃厚に感じられました。トウガラシより花椒のシビれ感が強く、一口目から舌がビリビリ。具材はしっかりと炒められたような香ばしさで、まるで中国料理専門店のような味わいです。

「ぜひ、大人の方にゆったり味わっていただきたい」と話すのは、同社商品企画チームマネジャーの福田暢雄さん。「お子様が外出している日の昼食や、お子様が寝た後の晩酌のお供としてもぴったりです。なかなか外食ができないときにも、自宅でゆったりと本格的な味を楽しんでいただきたいです」(福田さん)。

大人が好む専門店の味わいを追求しており、辛さ・シビれを効かせた風味豊かな自家製麻辣オイルや、黒酢でまろやかな酸味を加えたタレ、テンメンジャンで味付けした甘みのあるひき肉はそれぞれ別々に調理し、盛り付けをしているそうです。「別々に仕込んだ具材を召し上がる直前に混ぜ合わせていただくので、でき立ての味をお楽しみいただけます」(福田さん)。大人時間をじっくり味わうときに選びたい一品です。

【ここがポイント!】
・麻辣味がガツンと効いた圧倒的なシビれ感
・専門店の味わいを追求した本格派

シビ辛    ★★★★★
クリーミーさ ★★★☆☆
コスパ    ★★★☆☆

トレー付きで洗い物なし!ゴマ風味のクリーミーさ×シビれ

今年3月に発売されたばかりのテーブルマーク「お皿がいらない 汁なし坦々麺」(293グラム/税込み270円前後)は、トレーごと電子レンジで加熱すれば食べられるという簡便性の高い商品。

パッケージに書いてある通り、ハサミで切り込みを入れ、そのまま電子レンジで5分20秒(600W)加熱します。トレーには蓋や包装フイルムなどはないので、袋から出すだけで手軽に食べられます。ゴミが出ない、手が汚れないところがうれしいポイントです。

よく混ぜ合わせてみると、トレーの底にあったタレが麺全体によく絡んで、奥深い香りが立ち上ります。芝麻醤のクリーミーなコクとひき肉のうま味がとても濃厚。平麺はコシが強く食べ応えがあり、食べ進むとシビれ感が徐々に強く感じられ、どんどん食べ進めてしまうクセになるおいしさ。ゴマの風味が強くクリーミーな担々麺が好きな人にはぜひお薦めしたい一品です。

「ここ数年のトレンドである『シビれるような辛さ』に『ゴマだれ』をバランスよく組み合わせることを意識しました」(商品統括部の風間裕貴さん)。発売から間もないにもかかわらず、好評とのこと。

比べてみると、改めてトレー入りはとても便利だと感じました。いつも皿洗いが面倒という方には本当にお薦めです。

【ここがポイント!】
・トレイ入りで手早く食べられ、洗い物もなし
・ゴマのコクとシビれる辛さの濃厚なおいしさ

シビ辛    ★★★★☆
クリーミーさ ★★★★★
コスパ    ★★★★☆

"広島式"が味わえる、お皿不要の個性派

マルハニチロの「WILDish(ワイルディッシュ)」はパッケージごと加熱でき、開封するだけで食べられるシリーズ。19年8月に米飯4品が発売され、「汁なし担々麺」(250グラム/税別298円前後)は今年3月にラインアップに加わりました。

袋のまま電子レンジで加熱(600Wで4分)し、上半分を点線に沿ってはさみでカットすればOK。箸で30回混ぜるとでき上がりです。こちらも皿洗いが面倒という方には本当にお薦めです。

花椒のさわやかな香りがふわっと広がり、豚ひき肉とネギがたっぷり入っています。一口目はラー油とひき肉のマイルドなうま味が口のなかに広がります。特徴的なのは細めの丸麺。舌触りが良く、スルスルと食べられます。あとから花椒のシビれ感が出てきて、食べ進むごとに舌がシビれてきました。

他の3品とはかなり違うスタイルですが、これも新鮮でおいしいと感じました。実はこのスタイル、「広島式」なのだそう。市販用冷凍食品部課長役の長岡美月さんによると「広島エリアでは数々の専門店があるほど汁なし担々麺が人気です。細麺を使い、青ネギをトッピングし、食べる前に10~30回混ぜる、食べ終わったあとにはご飯を入れてシメる、などが広島式の特徴です」とのこと。シメのご飯も試してみたくなりますね。

花椒は香り高い「青山椒」と「赤山椒」の2種を使用。さらにラー油のうま味とコクを加えており、シビれるような辛さにこだわっています。「花椒やラー油の"やみつき感"が好評です」(長岡さん)。

【ここがポイント!】
・細麺と青ネギが特徴的な広島式
・花椒のシビれ感が強く、クセになる味

シビ辛    ★★★★☆
クリーミーさ ★★★★☆
コスパ    ★★★☆☆

4品を試食してみると、どれも香りが本格的で、辛い物が得意な人でも満足できそうな、しっかりした辛さであることが分かりました。家庭でいつでも手軽に楽しめる冷凍の汁なし冷凍麺は、食事だけでなく、お酒のお供としても良さそうです。これから暑くなるにつれて、辛いものを食べたい衝動が増えるかもしれません。冷凍庫に常備しておき、パンチのある味が恋しくなったときに活用してみてはいかがでしょうか?

(フードライター 古滝直実)

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