ジャパネット社長が体感 在宅ストレス緩和3つのコツ
『ジャパネットの経営』著者に聞く
ステイホーム週間が明けて1週間、在宅で再始動したビジネスパーソンも多いでしょう。感染リスクの高い最前線に立つエッセンシャルワーカーと比べると、在宅ワーカーは恵まれてるとはいえ、在宅ならではのストレスもあるのも確かです。
先ごろ『ジャパネットの経営 東大卒2代目の僕がカリスマ社長の後を継ぎ実践してきたこと』(日経BP)を刊行したジャパネットホールディングスの高田旭人社長も、自宅で働き続ける一人。「出勤していたころより、ハードに仕事をしている実感がある」と言います。そんな高田社長にこの1カ月半、社員とともに実践してきた在宅勤務におけるストレス緩和のコツをうかがいました。
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――3月末から、全社的に在宅勤務にかじを切ったそうですが、高田社長とジャパネット社員の働き方は、どう変わりましたか。
『ジャパネットの経営 東大卒2代目の僕がカリスマ社長の後を継ぎ実践してきたこと』(日経BP)。父・高田明氏からバトンを受け、働き方改革を推進してきた経営の考え方を語っている
私自身の業務に支障があるかといえば、驚くほどありませんでした。すべてオンラインなので、移動時間をはさむことなく1日に10個くらいの会議に出ます。絶え間なく意思決定を下すので、以前よりむしろハードに働いている感じです。それで誰ともリアルに接しないとなると、正直、ちょっと寂しいときもありますよね。
社員もそうです。商品の選定を担うバイヤーは、自宅からメーカーや産地に電話をかけ、社内提案をまとめています。最初の頃は1週間かけても1個も提案できず、落ちこむ社員もいました。
――そういう在宅勤務ならではの孤独や焦りを、どう解消したらいいと思いますか。
コツ1:「とにかく8時間」より「6時間でも集中」
社員には、「自宅で実働8時間を守ろうとしないで」と、最初に話しました。「それよりは6時間でも、もっと短くてもいいから、集中できる時間をつくることを大事にして」と。自分自身のことを考えても、そのほうが気持ちはラクですし、結果として生産性が上がると思います。
――在宅のストレス解消という意味では、オンラインでのランチ会や飲み会も、だいぶ広がりました。
私がオンライン飲み会を初体験したのも、4月最初の金曜日でした。
――4月3日、政府が緊急事態宣言を発令する直前ですね。
そうです。初体験して「こんなに楽しいのか」と実感し、会社でも4月15日から、社内オンライン飲み会を仕組み化しました。週に3回ほど、それぞれテーマを設定して飲み会の参加者を募集します。テーマは、例えば「鉄道を愛する者」「実家が農家」「V・ファーレン長崎を愛する者」など。キャプテン1人と副キャプテン1~2人が、場を取り仕切ります。