ウエストが身長の半分なら要注意 子どもも怖いメタボ

日経DUAL

2020/5/22

母子手帳の成長曲線も見てみよう

お子さんの体格の変化を判断するためには、母子手帳についている成長曲線に身長や体重の数値を記入するとよいでしょう。

「母子手帳には、乳児用と幼児用の発育曲線と0~18歳までの男女別のパーセンタイル成長曲線が付いています。成長曲線に子どもの身長・体重をプロットしてみて、身長は50パーセンタイル値付近なのに体重が基準線を横切って右肩上がりになっていれば肥満の可能性があります」

お子さんが肥満の場合、体に生じる生活習慣病も心配ですが、学校でいじめを受けやすいなどの心の問題もあるのです。

「肥満の子どもは、いじめやからかいの対象になりやすいのです。その結果自身をなくしたり、うつ状態、不登校につながったりすることもあります。学校での適切な対応を要請します。さらには、体を動かすことが苦手なことが多いので、友だちとの外遊びについていけなかったり、体育の授業を休むようになったりすることも少なくありません。肥満は、子どもたちの身体だけではなく、心にも大きな影響を及ぼすのです」

次に、すぐに始められる対策をご紹介します。

体育に加えて、週に2回は身体を動かそう!

肥満を予防し、これ以上悪化させないためにはどんな対策をすればいいのでしょうか。

「ポイントは、生活リズムを整えること、睡眠を十分にとること、身体を動かすことです。特別なことではありませんが、これらが基本になります」

【生活リズムを整える】早寝・早起き、朝ご飯

「肥満だからといって、食事を減らすなどのダイエットは好ましくありません。まずはしっかり生活リズムを整えてください。早寝早起きを実行するだけで、肥満が改善する子も少なくありません。また昼間しっかり活動するためには、朝ご飯をしっかり食べることも大切です」

もし朝ご飯を食べる習慣がなかった子なら、最初は牛乳とバナナなどから初めてもいいそうです。

【睡眠を十分に】親御さんも少しだけ協力を

「つい子どもに向かって、『早く寝なさい!』と言ってしまいますが、大人が楽しそうにテレビを見ているのに、子どもだけ早く眠るというのは難しいかもしれません。せめてテレビは消すなど、子どもが就寝しやすい環境を整えてあげてください。また眠る前に、タブレット端末やスマホなどを見ると、ブルーライトによって脳が覚醒してしまいます。なるべく就寝の1~2時間前には使わないようにしましょう」

睡眠不足は肥満を招きやすいですので、子どもを早く寝かすために、親もちょっとだけ協力が必要なのかもしれません。

【運動をする】まずは家のお手伝いからでもOK

「太っているお子さんは、身体を動かすことをおっくうがることが多いですが、できれば体育の授業に加えて、週に2回程度、運動する習慣をつけるといいですね。運動の種類はなんでもよく、水泳やダンス、バレエ、サッカーなど、お子さんが好きなものを選んでください。 どうしても運動を嫌がるようなら、一緒に歩いて買い物に出かけたり、犬の散歩をしたり、家のことを手伝ってもらうのもお勧めです」

運動が習慣になるまでは、親御さんも一緒に取り組んであげるといいのかもしれません。

こうした対策を実行しても肥満がなかなか改善しない場合は、どうしたらいいのでしょうか。

「小児科を受診するようにしてください。小児内分泌学会の専門医や日本肥満学会の肥満症認定医に受診できたらさらにベターです。専門医や認定医は、学会のホームページから検索することができます。前述の対策はすべての基本ではありますが、現状すでに、ウエストを身長で割った数値が0.6を超えていたり、成長曲線に今までの身長・体重をプロットしてみた結果肥満が著しく悪くなっていることに気づいた場合は、早めに小児科を受診するようにしてください」

子どもの肥満は、気づいた時点ですぐに対策をとることが大切です。まずはお子さんのウエストを測ってみてください。身長の半分を超えていたら、今日から改善プログラムをスタートしましょう。

原 光彦さん
東京家政学院大学人間栄養学部人間栄養学科教授、日本大学医学部小児科客員教授。医学博士。1990年、日本大学医学部大学院医学研究科卒。同附属板橋病院勤務などを経て、2000年、都立広尾病院小児科医長。2007年4月~2015年まで、東京都立広尾病院小児科部長。2015年より東京家政学院大学現代生活学部教授。2019年から日本大学医学部小児科客員教授。専門は小児の生活習慣病・メタボリックシンドローム、循環器疾患、スポーツ医学。肥満症診療ガイドライン2017や幼児肥満ガイドなどを執筆するなど、小児期からの肥満・心血管病予防の分野で国内の第一人者。現在も都立広尾病院小児科、日本大学病院小児科、南東北病院小児科で診療を行っている。

(取材・文 渡邉由希)

[日経DUAL 2019年10月15日付の掲載記事を基に再構成]

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