ウエストが身長の半分なら要注意 子どもも怖いメタボ

日経DUAL

2020/5/22
子どもの肥満は健康障害につながる危険性も(写真はイメージ=PIXTA)
子どもの肥満は健康障害につながる危険性も(写真はイメージ=PIXTA)
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スナック菓子を食べるわが子を前に「うちの子、少しぽっちゃりしているけど、大人になったら痩せるから大丈夫よね」「中学生になったら、部活動で鍛えられるから大丈夫」と思っていないでしょうか。

研究データによると、子どものころに肥満だった子は、大人になっても肥満傾向を引きずっていることが多いとされています。大人になったからといって自然に痩せるわけではないのです。

また子どもの肥満は、体形や見た目だけの問題ではなく、その後の健康をも大きく左右します。肥満かどうかのチェック方法と、もし肥満だった場合の対処方法について、東京家政学院大学人間栄養学部教授、日本大学医学部小児科の原光彦先生に伺いました。

子どもの頃に肥満だと、早くから動脈硬化になりやすい

どうして子どもの肥満を放置してはいけないのか、原先生はこう話します。

「子どものころに肥満だった人は、そうでない人に比べて若いときから動脈硬化になりやすいことが分かっており、学童期以降に健康障害が出やすいことが問題となっています。早い子では、中学生で肥満に伴う2型糖尿病を発症したり、小学生で早期動脈硬化のサインが見つかったりするケースもあります」

「2019年4月には、日本小児医療保険協議会の小児肥満小委員会が『幼児肥満ガイド』を策定しました。私が委員長としてとりまとめを行ったのですが、その背景には、5歳時点で肥満の子のうち、およそ6割は学童期になっても肥満が継続しているという現実がありました。幼児期からの対策が非常に大切だということを医療・栄養関係者や教員、親御さんなどに知っていただきたい。お子さんが子どものころから生活習慣病で苦しまないように、少しでも早くから対策を始めてほしいと考えます」

では一体、子どもの肥満はどんな原因から生じるのでしょうか。

睡眠不足や朝食抜きは肥満の原因

子どもの肥満の原因について、原さんはこう言います。「子どもの肥満には、生活習慣と運動不足、遺伝などの要因が関係しています。生活習慣については、最近は思いっきり外遊びができる場所が減っていることから、どうしてもゲームやインターネットなど室内での遊びが中心になりがちです」

「ゲームや動画視聴などに夢中になっていると、ブルーライトなどの影響で眠くならず、遅くまで起きているので睡眠不足になりがちです。生活リズムが崩れれば朝は起きられず、朝食抜きで学校に出かけることが多くなります。睡眠不足や朝食抜きは、肥満の大きな原因です」

「外遊びが少なければ、エネルギー消費量も低下します。福島県では、震災により子どもたちの外遊びが禁止された結果、肥満傾向児の頻度が日本一になり体力も低下しました。子どもにとって、身体を十分に動かすことがいかに大切なことかわかります」

次に子どもの腹部肥満を簡単に見つける方法を紹介します。腹部肥満は、内臓脂肪がたまっているケースが多く、肥満による合併症が生じやすいことが知られています。

ウエストが、身長の半分以上あったら要注意

「立った状態で軽く息を吐き、おへその位置でウエストの周囲長を測ります。空腹時に測定してください。もしウエストが、身長の半分以上あれば内臓脂肪が増え始めている疑いがあるので注意が必要です。ウエストを身長で割った数値が0.6を超えていた場合には、内臓脂肪型の高度肥満の可能性が高いと考えられます。またウエストが身長の半分以上あることに加えて、以下の3つのうち2項目以上あてはまると『子どものメタボ』に該当します」

★子どものメタボチェック項目★
(1) 血清脂質:中性脂肪120mg/dl以上かつ、または、HLDコレステロール値が40mg/dl未満。
(2) 血圧:最高(収縮期)血圧125mmHg以上かつ、または、最低(拡張期)血圧70mmHg以上。
(3) 血糖値:空腹時血糖値100mg/dl以上

「メタボは、中年男性がなるイメージですが、実は子どもにもあります。メタボの定義は、内臓脂肪型肥満(腹囲が身長の半分以上)に加えて、脂質異常(中性脂肪が高い、善玉のHDLコレステロールが低い)、血圧が高め、血糖値が高めという動脈硬化のリスク因子が2つ以上、そろっていることをいいます。メタボになったばかりの頃は、ほとんど症状がありませんが、放置すると動脈硬化の進行を早め、心筋梗塞や脳卒中、2型糖尿病などの病気を引き起こしかねません。お子さんのおなかがぽっちゃりしていたら、まずはウエストを測ってみてください」

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