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短所は本当にマイナスか? 就活で役立つ「他己分析」

(7)他己分析編

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NIKKEI STYLE

元お笑い芸人で、現在は人材研修などのコンサルティングを手掛ける中北朋宏さんが講師役となって、就活生に面接の極意をフィードバックする連載「面接道場」。今回は「他己分析」編。就活ではよく自己分析が大事と言われるが、それをより深いものにするために周囲の人にヒアリングするのが他己分析だ。他人の評価を通して、自分の捉え方・見せ方をどう考えていくべきか、中北氏がアドバイスした。

今回挑戦するのは明治大学4年の女子学生Eさん。就職活動は年明けから始めたが、「アピールできるようなことが見つからない」と悩んでいる。事前に、周囲の人からEさんの人物像についてアンケートに答えてもらった。

【Eさんはどんな人? 周囲の人の評価】
「少し愛想がなさそうに見えたけど、話したら愛嬌(あいきょう)があふれていてかわいい人だと思った」(バイト先の先輩)
「教授など目上の人からよく気に入られている。最初はあまり考えてない印象だったが、頭の中では色々考えている。短所はそれを思っていても口に出さないところ」(大学の友人)
「テストの準備などがいつも計画性がない。長所は継続力。小さい頃から始めた習いごとを嫌がらず続けた」(親)

面接前に認識しておきたい「盲点の窓」とは

中北 結構バシバシ言われていますね。第一印象は愛想がなさそうに見えたとか。面倒くさがりとか。総じて、自分が思っている通りでしたか。

E おとなしいとかはよく言われるのですが、愛想がないというのは初めて言われたかもしれません。でも確かに、自分は情に厚い人間だと思っていてもそう思われていないこともあって。

中北 なんでそう思われているの。

E 私としては不思議なんです……。今のバイト先がブラック企業でどんどん人が辞めていくんです。店長に「辞めないでね」って言われて、自分では本心で「辞めないです」って答えても「ウソでしょ、Eさんにそんな感情ないでしょ」と返されたり。

中北 なるほど、クールな感じで見られるんだ。今日は何をしたいかをお話する前に、自己分析に使用する心理学モデルの一つ、「ジョハリの窓」について説明します。窓は4種類あって、まず他人も自分も気付いていない窓が「未知の窓」。他人も自分も知っているのが「開放の窓」。他人が気付いていなくて自分だけが知っているのが「秘密の窓」。これを使えば、自分から「あなたにだけ自己開示する」と言って秘密をさらして仲良くなっていくことが可能です。ちなみにお笑い芸人というのは、この「秘密の窓」をパカパカ開けて、笑いをとりに行く職業と言えます。

今回の重要な論点は、他人が知っていて、自分は気付いていない窓。これを「盲点の窓」と言います。例えば自分は優秀だと思っているのに、他人からは「あいつは全然できない」と思われているとか、いわゆる「イタい人」です。それを避けるため、「盲点の窓」を「開放の窓」に寄せるというのを今回の目的にしています。そのためには、他人からフィードバックを受けるしかないんです。実はとても重要な作業で、これができていないと根こそぎ落ちる可能性があります。

中北 活躍している人の多くは「自己プロデュース」が成功しています。私の場合、元お笑い芸人という肩書で、ビジネスを知らないとかノリで生きていると思われがちです。だから例えば服装は、白シャツと紺色ネクタイに統一しています。話し方も自信があるようにしたり、重要なキーワードの前に少し間を置いて話したりしています。

Eさんの場合、別に愛想がなさそうに見えることは悪いことじゃないんです。愛想がなさそうに見えて、実はいいやつだったというようなことを、狙ってできるかという話です。要するに他者認知と自己認知、あるべき姿をそろえていきたいということです。ところで、Eさんはどんな人になりたいですか。

E 自立した人です。人に依存しないで生活していける人。

中北 自立ってビッグワードで色々な捉え方がある。経済的なことかもしれないし、主体的に行動するという意味かもしれない。もっと具体化できますか。

E 決断力のある人になりたいです。

中北 決断力ってどんなこと?

E 私の通う大学ではどのゼミに入るかが結構重要でなんです。他の人は、ここに行きたいというのが決められるんですけど、私はこっちもいいし、あっちもいい、どうしようと思ってしまう。就活もそうで、何もかも決めるのが遅くて。

「人は長所で尊敬されて、短所で愛される」

中北 決めるのが遅いことが問題じゃないと思うよ。なんで決められないの。

E 流されやすいのか……全部良く見えてしまうし。

中北 逆に言えば、全部良いと思うぐらいの許容力があると言えるやんか。だからどんな環境でも生きられるかもしれない。バイト先、ブラック企業でも、辞めずに続けてるもんね。それもまた素晴らしさの1つだと思うよ。今まで決めたことは、どうやって決めてきたの。

E 追い込まれてやる感じです。

中北 追い込まれて決めたことは後悔してるんですか。

E 1日くらいで忘れてしまいますね。もっと早く決めればよかったというぐらいで、結果的に入ったゼミも、他のゼミに落ちてここに入って良かったなと思っています。

中北 あなたは幸せな人ですね。早く決めた人が幸せとは限らないやん。それでも早く決めたいの? 就活も入ったところで楽しくやるんだろうね。

E たぶん入ったらその会社をすぐに好きになると思います。

中北 教授から気に入られているというコメントもあるね。

E 教授が外国の方で、お子さんの日本語の勉強のために遊ぶというバイトをさせて頂いていてます。

中北 すごい気に入られ方ですね。たぶん君の才能なんだと思うよ。よく天才というのは、発信の強い人のことを言いますが、私の先輩に異なるタイプの天才がいます。それは、相手から懐に入られる天才です。簡単になめられるから、相手はすぐに上からマウントとってくるんですけど、知らない間に相手は全部さらけ出してしまっている。だから誰とでも仲良くなれる。しかも向こうから来るから、苦労せずに。

E 確かに、すぐになめられます。中学の部活でも後輩からコートに入らないでくださいって言われたこともありますし。

中北 ひどいね(笑)。でも心配ないよ。いずれ世話好きの後輩と仲良くなれます。今はそういうフェーズの後輩がいないだけ。つまりEさんが短所だと思っている部分が「盲点の窓」。だから目指す方向を変えた方がいいんじゃない? 経済的に自立とか、普通に働いていたらできるやん。何か違う要素も入れられるんじゃないの。

E ちょっと現実味がないんですけど、「いじわるばあさん」(長谷川町子原作の漫画)みたいな人になりたいです。

中北 面白いね(笑)。仮に「いじわるばあさん」があるべき姿だとして、短所の優柔不断とか人見知りって、むしろあった方がよくない? 「いじわるばあさん」みたいな人って、絶対人見知りですよ。「人は長所で尊敬され、短所で愛される」という言葉があります。短所もちゃんと生かした方がいいと思うよ。

伝え方は正攻法じゃなくていい

E そういう自分を、どうアピールすればいいですか。

中北 ちゃんと接して話さないと、君の良さはなかなか見えてこない気がしますね。だから今は難しいかもしれないけど、インターンとかはやった方がいいと思います。面接じゃ伝わりにくい。ちょっと抜けてる子に見えるから。私のEさんの第一印象は、あまり特徴がない普通の子だと見えていたから、そこはもったいないなと感じますね。

ハキハキ話すようにするといった印象操作はおそらく向いていないです。なぜなら不思議だから。君は正攻法じゃない。私が君だったら、自分のことを知っている人にインタビューした動画を作って、ツイッターで発信して、会社の問い合わせフォームに投げまくる。

E 自己PRで、私は愛されキャラですって言うのも変じゃないでしょうか……

中北 そのぐらい外していいんです。面接というのは差別化だから。私は「人から懐に入られる人間です」でいいと思うよ。人の懐に入る人や、順応性が高いという人はどこにでもいるけど、順応のレベルが全然違う。バイト先のブラック企業で次から次へと辞めていったけど、私は自分なりに楽しさを見つけて続けています、とかね。

繰り返しだけど、君は正攻法じゃなくて、どうしたら自分の良さを伝えられるかというのを戦略的に考えた方がいい。愛想がなさそう、でも話したらいい人だったというのは、良いギャップじゃないですか。そして「いじわるばあさん」そのものじゃないですか。だからもう少しこれを狙い通りにやった方がいいです。

(文・構成 安田亜紀代)

中北朋宏
浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。トリオを解散後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、制度設計や採用などを担当。2018年に人材研修コンサルティングなどを手掛ける株式会社 俺を設立し、社長就任。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

著者 : 中北 朋宏
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,650円 (税込み)

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