2020/5/25

面接道場

中北 活躍している人の多くは「自己プロデュース」が成功しています。私の場合、元お笑い芸人という肩書で、ビジネスを知らないとかノリで生きていると思われがちです。だから例えば服装は、白シャツと紺色ネクタイに統一しています。話し方も自信があるようにしたり、重要なキーワードの前に少し間を置いて話したりしています。

Eさんの場合、別に愛想がなさそうに見えることは悪いことじゃないんです。愛想がなさそうに見えて、実はいいやつだったというようなことを、狙ってできるかという話です。要するに他者認知と自己認知、あるべき姿をそろえていきたいということです。ところで、Eさんはどんな人になりたいですか。

E 自立した人です。人に依存しないで生活していける人。

中北 自立ってビッグワードで色々な捉え方がある。経済的なことかもしれないし、主体的に行動するという意味かもしれない。もっと具体化できますか。

E 決断力のある人になりたいです。

中北 決断力ってどんなこと?

E 私の通う大学ではどのゼミに入るかが結構重要でなんです。他の人は、ここに行きたいというのが決められるんですけど、私はこっちもいいし、あっちもいい、どうしようと思ってしまう。就活もそうで、何もかも決めるのが遅くて。

「人は長所で尊敬されて、短所で愛される」

中北 決めるのが遅いことが問題じゃないと思うよ。なんで決められないの。

E 流されやすいのか……全部良く見えてしまうし。

中北 逆に言えば、全部良いと思うぐらいの許容力があると言えるやんか。だからどんな環境でも生きられるかもしれない。バイト先、ブラック企業でも、辞めずに続けてるもんね。それもまた素晴らしさの1つだと思うよ。今まで決めたことは、どうやって決めてきたの。

E 追い込まれてやる感じです。

中北 追い込まれて決めたことは後悔してるんですか。

E 1日くらいで忘れてしまいますね。もっと早く決めればよかったというぐらいで、結果的に入ったゼミも、他のゼミに落ちてここに入って良かったなと思っています。

中北 あなたは幸せな人ですね。早く決めた人が幸せとは限らないやん。それでも早く決めたいの? 就活も入ったところで楽しくやるんだろうね。

E たぶん入ったらその会社をすぐに好きになると思います。

中北 教授から気に入られているというコメントもあるね。

E 教授が外国の方で、お子さんの日本語の勉強のために遊ぶというバイトをさせて頂いていてます。

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伝え方は正攻法じゃなくていい