息のむ絶景 いつかは行きたい世界の美しい国立公園

日経ナショナル ジオグラフィック社

2020/5/20
ナショナルジオグラフィック日本版

オーストラリア、ウルル=カタ・ジュタ国立公園 大地に突き出た赤い一枚岩「ウルル」で名高いウルル=カタ・ジュタ国立公園は、先住民アナング族と、オーストラリア北部準州(ノーザンテリトリー)公園局が共同で管理している。アナング族の聖地であり、エアーズロックとも呼ばれるこの一枚岩に登る旅行者と先住民族との対立が長く続いていた。ウルルへの登山は2019年10月26日に禁止されたが、カタ・ジュタの岩山周辺を歩いて巡ったり、岩絵が残る公園周辺の古代遺跡を訪れたりすることはできる(PHOTOGRAPH BY GRANT FAINT, GETTY IMAGES)

新型コロナの影響で、予定していた旅に出かけられなかった今年のゴールデンウイーク。そこで、今回は世界各地の国立公園の絶景をご覧いただきたいと思う。

ところで、国立公園が誕生したのは1872年のことだった。世界初の国立公園として、米国のイエローストーン国立公園が設置された。以降、国立公園の概念は米国全土、さらには国外にも根付いていく。

カナダは1880年代に最初の国立公園を設立。第一次世界大戦後、その理念は大西洋を越えて英国に伝わり、その植民地にも広がった。日本とメキシコは、1930年代にこの考えを取り入れ、さらに数十カ国が後に続いた。

国立公園は今も世界中で新たに指定されている。守られる土地が増えることは、環境保護活動家にとっては前進だ。2019年、米国で61カ所目の国立公園となるインディアナ・デューンズ国立公園が設立された。

また近年、ペルー、中国、フィンランドの数千平方キロに及ぶ地域が、国立公園に指定されている。オーストラリアの太古の一枚岩からパタゴニアにそびえる氷河まで、世界中の国立公園は、訪れる人々に大自然を体験する機会を与え、生物多様性の保護に役立っている。

チリ、トーレス・デル・パイネ国立公園

チリのパタゴニア地方にあるユネスコ世界生物圏保護区は、公園に塔のようにそびえる、青く雄大な花崗岩の山にちなんで命名された。グレイ湖の氷河にカヤックで近づき(見事な青い色調がさらに美しさを増す)、緑豊かな森をじっと見つめて、ピューマやグアナコ、コンドルなどの野生生物を観察してみよう(PHOTOGRAPH BY MICHAEL MELFORD, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

米国、イエローストーン国立公園

世界の国立公園第1号は、今も世界最高の国立公園の1つだと広く認められている。ワイオミング、モンタナ、アイダホの3州にまたがり、8000平方キロを超すイエローストーンには温泉や泥水泉のほか、世界で活動中の間欠泉のうちの半分以上がある。有名なオールド・フェイスフル・ガイザーもその1つだ。バイソン、ハイイログマからヘラジカ、オオカミまで、さまざまな野生生物の生息地でもある。公園内にはキャンプ場が12カ所あり、ロッジやキャビン、ホテルも数軒建っている(PHOTOGRAPH BY TOM MURPHY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

米国、デナリ国立公園

約150キロ続く1本の道路の先に、2万4000平方キロを超す真の大自然、アラスカ州のデナリ国立公園がある。北米最高峰の名を冠するこの国立公園は、カリブーやハイイログマなど、驚くほど豊富な植物や野生動物で知られる。米国でオーロラを観察する格好の場所でもある(PHOTOGRAPH BY AARON HUEY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

アルゼンチン、ロス・グラシアレス国立公園

パタゴニアのアルゼンチン側にあるロス・グラシアレス国立公園は、ほぼ半分が氷河に覆われている。ペリト・モレノ氷河を訪れた人は、氷河作用が進む様子を目の当たりにできる。氷河は絶えず動きながら、アルヘンティーノ湖に流れ込む(PHOTOGRAHPH BY ED NORTON, GETTY IMAGES)

トルコ、ギョレメ国立公園

「妖精の煙突」と呼ばれる印象的な奇岩群だけでも十分に魅了されるが、4世紀の時点でこうした火山岩を削り、教会や家々、地下都市がまるごと作られていたという事実にも驚かされる。ユネスコ世界遺産として保護されているのも納得だ。古代の隠者たちの住まいに作られた博物館や商店、ホテルを見て回るのもいいし、熱気球から感動的な眺めを一望してもいい(PHOTOGRAPH BY POLINA NAGAREVA)

ナミビア、エトーシャ国立公園

ゾウやライオン、シマウマが喉をうるおそうと、数多くある水場に集まってくるため、野生動物たちを難なく見つけられる。快適なキャンプ場からロッジ、私営動物保護区まで、観光客はさまざまな施設で野生生物を間近に見られる。ここではアクセスの良さが重視されており、公園内は普通の乗用車でも問題なく走れるほど道路が整備されている(PHOTOGRAPH BY ALEX SABERI, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

次ページ以降でも、美しい眺望をもつ選りすぐりの13カ所を紹介する。コロナ禍後の旅先候補となる場所もあるはずだ。

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