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マスク表面には触らない! 新型コロナ7日後も感染力

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日経Gooday(グッデイ)

新型コロナウイルスはさまざまな物質の表面で高い安定性を示し、サージカルマスクの内側に付着した場合は少なくとも4日後、外側(表面)では7日後まで感染力を持つことが、香港大学の研究者が行った実験[注1]で明らかになりました。一方で、一般的な消毒方法はいずれも、感染力を失わせる効果を持っていることも確認されました。

どれくらいの期間注意が必要か

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者のうち、誰かと濃厚接触した覚えがなく、どこで、どうやってウイルスを取り込んだのかが分からない人の感染は、おそらく、身の回りの物の表面に存在していたウイルスが手指を介して、目、鼻、口の粘膜に到達すること(接触感染)によって生じていると考えられます。

それゆえ、「感染者の飛沫と共に飛び散ったこのウイルスが、さまざまな物の表面に付着してからどれくらい長く感染力を維持しているのか」、そして、「そうした表面や手指をどのような方法で消毒すれば感染を防げるのか」について知ることは極めて重要です。

今回香港大学のAlex W H Chin氏らは、新型コロナウイルスを様々な環境下に置いて、感染力を維持している期間を検討しました。以下の実験はすべて、1条件につき3つずつ標本を用意し、感染価[注2]を求めて平均値を算出しています。

ウイルスは22℃でも7日後まで安定

新型コロナウイルスを含むウイルス輸送液(現在、PCR検査を行うために綿棒を使って採取した標本は、この液に綿棒ごと浸した状態で検査施設まで輸送されている)を密閉容器に入れて、4℃、22℃、37℃、56℃、70℃の環境下で最長14日間保管しました。それぞれ、1分後、5分後、10分後、30分後、1時間後、3時間後、6時間後、12時間後、1日後、2日後、4日後、7日後、14日後の時点で、感染価を測定しました。

その結果、新型コロナウイルスは、4℃では高い安定性を示し、感染価は14日後までほとんど変化しませんでした。22℃では7日後まで、37℃では24時間後まで感染力を維持していましたが、56℃では30分後、70℃では5分後には、感染性のあるウイルスが検出できなくなりました。

[注1]Chin AWH, et al. Lancet Microbe. published online April 2, 2020.

[注2]感染価は、ウイルスの感染力を示すもので、回収したウイルスが含まれている培養液を段階的に希釈し、どこまで希釈すると、培養細胞の50%を変性させられなくなるかに基づいて評価する。

サージカルマスク表面で最も安定

新型コロナウイルスを含む液体を、様々な表面(コピー用紙、ティッシュペーパー、紙幣、サージカルマスク、ステンレス、プラスチックなど)に5μL垂らして、室温22℃、湿度65%の環境下に置きました。一定時間(0分、30分、3時間、6時間、1日、2日、4日、7日)が経過した後に、滴下点の上からウイルス輸送液200μLを追加してウイルスを回収し、感染価を調べました。

その結果、コピー用紙とティッシュペーパーの表面からは、30分後まで感染力を持つウイルスが検出されましたが、3時間後には検出できなくなっていました。紙幣の表面では2日後まで(4日後には陰性化)、ステンレス表面とプラスチック表面では4日後まで(7日後には陰性化)、感染性のあるウイルスが検出されました(表1)。

一方、驚くべきことに、サージカルマスクの内側では4日後まで、外側(表面)では7日後まで、感染力を持つウイルスが検出されました。内側のウイルスは7日後には陰性化していましたが、外側については、8日後以降は追跡しなかったため、ウイルスが実際に何日間感染力を持っていたのかは不明です。

表1 新型コロナウイルスが各種表面で感染力を維持している時間

一般的な消毒薬はおおむね有効

続いて消毒薬(家庭用漂白剤や消毒用エタノールなど)の効果を検討しました(表2)。

室温22℃で、新型コロナウイルスを含む液15μLに、通常使用する濃度に希釈したさまざまな消毒薬135μLを加えて、5分後、15分後、30分後にウイルスの感染価を調べました。その結果、ハンドソープ液のみ、5分後に感染力のあるウイルスが残っていましたが、それ以外の条件ではウイルスは感染性を失っていました。

表2 消毒薬の新型コロナウイルスに対する効果

どのpHでもウイルスは感染力を維持

最後に、環境のpHとの関係を検討しました。室温22℃で、pH3から10までの溶液にウイルスを加えて、60分後に感染価を調べたところ、どのpHでもウイルスは感染力を維持していました。

マスクやプラスチックの表面では感染力が長時間持続

今回行われた実験で、新型コロナウイルスは、ウイルスに適した環境下では安定性が非常に高いこと、しかし、標準的な消毒法はいずれも有効であることが明らかになりました。

マスクをはじめとして、紙幣やステンレス、プラスチックなどの表面には、比較的長時間ウイルスが付着している可能性を念頭に置き、それらを触ったらできるだけ速く手を洗う、または消毒することが大切です。手洗いや消毒が済むまでは、目や鼻、口元を触らないようにしましょう。さらに、マスクの取り扱いには十分な注意が必要です。外すときには表も裏も触らず、密閉できる袋に入れて、布製であれば薄めた家庭用漂白剤を袋に注ぎ、浸してから洗濯をする、使い捨てマスクならば袋ごと廃棄する、といった方法を用いるほうが良さそうです。

[日経Gooday2020年4月17日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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