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ビームスがZ世代用ECブランド 手ごろで等身大が魅力

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日経クロストレンド

セレクトショップのビームス(東京・渋谷)が1990年代後半から2000年代にかけて生まれた「Z世代」をターゲットにオリジナルブランド「BeAMS DOT(ビームスドット)」を立ち上げた。発売当初の出足は予想の113%と好調。「買い物で失敗したくないから、オンラインショップでは買わない」というZ世代を、電子商取引(EC)でいかに安心させるかに腐心した。

「BeAMS DOT(ビームスドット)」の立ち上げは3月。カジュアルやモードといったカテゴリーを限定せず、男女で兼用できるジェンダーレスな服も取りそろえた。「Z世代は女性が男性用の服を購入することも珍しくなく、その逆もある」と、ビームス第三事業本部アウトレット部事業責任者の安藤賀一課長は言う。

ビームスはこれまでZ世代のみをターゲットにしたブランドやオリジナル商品は持たず、ビームスドットが初となる。店頭での販売はせず、ECのみの展開。現在、ビームスの公式オンラインショップと「ZOZOTOWN」で販売している。価格は5000円から1万円前後で、ビームスのブランドとしては低価格だ。立ち上がりの売れ行きは順調で、「発売1週目は、目標の13%増」(安藤氏)だ。

ビームスドットはZ世代の共感を得るために「リアリティー」と「等身大」というキーワードを掲げた。これは、Z世代への調査で「買い物で失敗したくないから、オンラインショップでは買わない」という声などを基に見いだした。つまり、Z世代にオンラインショップで安心して買い物を楽しんでもらうためのキーワードでもある。

具体的には、自分が洋服を着たときのイメージが湧くように、Z世代が身近に感じる「等身大」のモデルを起用したり、商品写真の撮影でリアリティーを重視したりするなど、オンラインショップでの商品の見せ方で工夫が必要だと考えた。

ただ、Z世代はどんなモデルを身近に感じ、どういった表現をリアルと思うのか。それらは変化し続けるものでもあり、判断は難しい。

ビームスドットでは、Z世代の「感覚」をつかむために、入社1年目で本人もZ世代である社員を抜てきした。それが、オンラインショップの販売責任者、米山友里恵氏だ。調査データに米山氏のリアルな意見を加味することでブランドとして自信を持ってジャッジできるという考えだ。

ネットで探し、リアルで買う

ビームスドットを立ち上げる前に、Z世代を研究する機関と共に調査を3回実施した。その他、社内のZ世代の社員にも商品に関する調査を行っている。

研究機関と共に行ったのはファッションに関する意識調査で、対象年齢は16歳から25歳までの高校生と大学生、社会人。1回目と3回目は約30人、2回目は約15人を対象にした。調査で聞いたことは、「毎月、服に使える金額」や「お小遣いは何に使っているか」「ECサイトでの買い物について」「好きなブランド」「よく使っているアプリやSNS」など。ビームス側からは10人ほどのスタッフが参加し、時間は2時間ほどかけたという。2回目以降は、主にPRに関する調査を行った。

この調査から得た気づきの一つが、「ネットで探してリアルで買う」というZ世代の消費行動だった。「オンラインショップで購入して、失敗した経験がある」からだ。若い世代ほど実店舗よりオンラインで購入するのを好むと思いがちだが、実際にはそうとも限らないことが分かった。

Z世代は、失敗を繰り返さないために、オンラインショップで気になる洋服を見つけたら、取り扱っている店に友達と出向き、現物を見る。そして、気に入ったら買うという。それは、時間に余裕がある若年層ならではの動向ともいえるだろう。

そもそもビームスは今回、「ECのみの展開」という前提で新しいブランドを開発しようとしていた。そこで公式オンラインショップの利用者の平均年齢を調べてみると、39.5歳と高めであることが判明。若年層にアプローチできていないことが分かり、Z世代に向けたブランドを開発することを決定。それがビームスドットだった。

そういった経緯から、実店舗での販売は当初から想定しておらず、ビームスドットにはZ世代に安心感を与える工夫が必要不可欠だった。「実店舗で現物を見て安心するのと同じように、オンラインショップでも洋服をできるだけリアルに見せていく必要があると気づいた」と安藤氏は言う。

ファッションブランドは、モデルが着ている洋服をより美しく見せるために、洋服全体に光が当たるように撮影するのが一般的だ。だが、ビームスドットは、「いい意味でチープに見えるようにしている」(米山氏)。

調査で得た「ビームスは憧れのブランドだけど高そう」といった声を踏まえ、例えば商品の撮影時には服に光を強めに当て、あえて陰影を付けるようにした。これによって若者らしいパワフルな印象となり、Z世代は「自分たちのブランドだ」と感じやすいのだという。ビームスの公式オンラインショップで他ブランドと洋服が並んだとき、若者向けのブランドであることを際立たせて差異化を図りたい、という狙いもある。あえてチープに見せることで安心につなげる──それは、もとよりブランド力があるビームスだから可能な戦略ともいえるだろう。

有名な芸能人では共感を得にくい

ビームスドットのPRは、インスタグラムをメインに展開している。これも調査結果を基に決めたことだ。Z世代がよく使用しているアプリを調査したところ、10代は動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」、20代はインスタグラムが最も多かったが、ツイッターとインスタグラムは10代と20代ともに使っていた。

「インスタグラムの利用者は多いだろうと予測していたが、調査したことで確信できた」と米山氏。PR方法については、SNS内に流れてくる商業的な広告は見ないという意見がある一方で、自分と同じ世代の等身大のモデルが出ている広告は親近感が湧き、目に留まるという声もあった。

そこで、モデルは誰もが知る有名な芸能人ではなく、インスタグラムで人気のインスタグラマーを起用した。著名人を起用すると、「手の届かないブランド」に見えてしまう恐れがあるからだ。「インスタグラムで人気があり、ファッションのテイストが異なる男女10人のインスタグラマーにモデルとして協力してもらうことにした」と米山氏。インスタグラム内での広告は、ストーリーで展開している。

また、「自分が着たときのイメージ」が湧きやすいように、モデルの身長や服サイズなどを明記している。ビームスの公式オンラインショップには「STYLING」というコーナーで、ビームススタッフの着用写真とコメントを掲載する仕組みもある。ビームスドットでは米山氏も自ら、様々なコーディネート写真をオンラインショップ内で公開している。

予想外だったのは、メンズ服の売れ行きが良かったことだ。売り上げはメンズ6割、レディース4割。メンズの洋服を女性も購入しているからだという。「若い人たちの間で数年前から、彼氏のシャツを着こなす『彼シャツ』というコーディネートがはやっている。そこから派生して、大きめサイズをあえて購入するニーズがある」(米山氏)。

今後はインスタグラムのストーリーに搭載されているライブ機能(インスタライブ)でスタッフが商品を紹介したり、アンケート機能を活用してサイズやシルエット、色などデザインに関する意見を集めたりして、ファンとのコミュニケーションにも力を入れていく計画だ。

(ライター 西山薫、写真提供/ビームス)

[日経クロストレンド 2020年4月30日の記事を再構成]

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