新型コロナで悩む資金繰り 支援策の利用はここに注意

セーフティネット保証 短期間で融資

「セーフティネット保証」は金融機関の融資が貸し倒れた場合、各信用保証協会が代理弁済する保証をつける仕組みだ。通常の信用保証枠に加え、4号、5号のいずれかの保証と危機関連保証とを併用でき、最大5億6000万円の融資枠を追加で確保できる。最近1カ月の売上高が前年同期比20%以上減った事業者が100%の保証を受けられる4号の利用が圧倒的に多い。

売上高が減少したかどうかを認定するのは市区町村長だ。事業者は役所や役場の窓口に認定申請書のほか、最近1カ月の売上高を客観的に確認できる書類、確定申告書などを持参する。

「必要な書類について、事前に助言している金融機関も多い」(東京都立川市)といい、同市は翌日に認定している。認定を受けた後は金融機関からの融資が受けられ「各種支援策の中で、融資が下りるまでの期間が一番短いと言われている」(都内の中小企業診断士)。都内のある信用金庫では市区町村での認定手続きから融資実行まで10日~2週間という。

金利については融資を受ける各事業者のこれまでの融資額、返済状況や返済期間によって異なる。都道府県や市町村が利子補給や保証料を補助し、金利を低く抑えている場合もあり、地域によっても異なる。

新型コロナ対応資金 セーフティ保証枠内で3年無利子も

「新型コロナウイルス感染症対応資金」は5月に新たに導入された融資制度で、3年間無利子で融資が受けられるコロナ特貸と、融資までの期間が短いセーフティネット保証融資の長所を組み合わせている。コロナ特貸の利用が集中し、融資実行に時間がかかっていたことを緩和する狙いがある。

各都道府県の制度融資の形を取っているが、売上高減少の認定を市区町村に受けるなど、融資申し込み手続きはセーフティネット保証融資と同じだ。金利は融資実績や地域などによって異なる。

日本公庫のコロナ特貸と同じく、小規模事業者の場合、個人事業主なら最近1カ月の売上高が前年同期比5%減、法人でも同15%以上減なら、3000万円を上限に当初3年間は無利子だ。保証料も不要になる。国が利子補給や保証料を補助する。

この3000万円はセーフティネット保証融資の枠内だ。例えば同融資で5000万円を借り入れた場合、3000万円分は条件を満たせば3年間無利子に、残り2000万円分は決められた金利を支払うことになる。

マル経を拡充 商店など対象

商店など小規模事業者が利用できる「小規模事業者経営改善資金融資(マル経)」が拡充された。商工会議所や商工会が窓口となり、融資の可否について審査、実際の融資は日本公庫が行う。限度額2000万円の通常の融資枠とは別枠で融資を受けられる。

拡充枠の金利はコロナ特貸より低いうえ、当初3年間は金利を一律0.9%引き下げる。コロナ特貸で当初3年間無利子の適用を受けられる事業者の場合、3年以内で返済できるとコロナ特貸の方が返済額が低い。3年以上かかる場合は金利が逆転し、マル経の方が返済額が少なくなる可能性がある。同融資に利子補給制度を設けている自治体もある。

通常のマル経では商議所などの経営指導を半年以上受けた事業者が対象で、日本公庫に推薦する審査会を1カ月に1回のペースで開く。資金需要が高まり、経営指導の条件を緩やかにしたり、審査会の回数を増やしたりしている商議所もある。

商議所の会員でもある青梅市の住宅設備販売会社は約1カ月で融資が実行された。「金融機関の融資より審査がスムーズに進んだと感じた」という。

(多摩支局長、中小企業診断士 一丸忠靖)

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