『SUITS/スーツ2』 日本版制作の条件「クールに」

日経エンタテインメント!

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 フジテレビ系のドラマ『SUITS/スーツ』は、全米で大ヒットして2011~19年まで9シーズン続いた同名リーガルドラマが原作。日本版では、ハーバード大出身で負け知らずの敏腕弁護士・甲斐正午(織田裕二)と、経歴詐称の天才ニセ弁護士・鈴木大輔(中島裕翔)がバディを組み、難解な訴訟に立ち向かう。18年に放送されたシーズン1では、初回視聴率が14.2%、平均では10.8%という反響を得た。今年4月からシーズン2となる『SUITS/スーツ2』が始まった。

『SUITS/スーツ2』 シーズン1では舞台である丸の内の色をあまり出せず、反省しているという後藤氏。「近代的な建物と皇居や森のバランスがすごく“クール”。甲斐の部屋の窓から見える景色が、僕なりに1年間歩き回って探し出したベストポジションです(笑)」(月曜21時/フジテレビ系/第3話以降は放送延期)

プロデューサーの後藤博幸氏は、「シーズン1の時は意気込んで、無意識のうちに必要以上に日本風に変えてやろうと力んでいた」と振り返る。

「今思うと、制作側はもちろん、演じる側もそうだったのではと感じていて。改めてアメリカ版のシーズン2を見直してみると、よくできているんですよ。そのままいけるところは変える必要はないなと。シーズン2では、なるべくオリジナル要素を生かそうと思っています。日本では成立しない設定もあるので、そういうところは原作の流れをくみつつ、日本に合うようにローカライズできたら」(後藤氏、以下同)。

吉田鋼太郎がヒールに

日本版を制作する際、アメリカの担当者からは「オリジナルに忠実に」などの要望はなかったそうだが、1つだけ条件として「“クール”なドラマにしてほしい」と言われたという。「ディテールのすり合わせなど、電話や直接日本でも議論はしていますが、そのときに守ってほしいこととして、“クール”というキーワードがあって。なので、表現や行動にしても、A案とB案で迷った時の判断基準は、どちらがクールかというところで決定しています」


シーズン2では、シーズン1で途中から参加した小峯裕之氏が今回はチーフで脚本を執筆する。「7年前に『ミス・パイロット』でご一緒したのがきっかけで、以来何度かお願いしています。小峯さんは脚本の直しをリクエストすると、言った通りではなく、それを上回ったものを仕上げてくるんです。びっくりするくらい、前進したものになる。僕が依頼した全ての仕事においてそうなので、その確実性を非常に信頼しています」

シーズン2から吉田鋼太郎が加入。幸村チカ(鈴木保奈美)と「幸村・上杉法律事務所」を共同経営する上杉一志を演じる。「上杉が戻ってきて事務所の中を引っかき回します。甲斐と幸村に勝るとも劣らない、頭が良くて、巧みでずるい、なかなか手強い男です。ヒールではありますが、ただの悪役ではない、味のある吉田さんの演技にも注目してほしいです」

(ライター 松下光恵)

[日経エンタテインメント! 2020年5月号の記事を再構成]

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