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ダルゴナコーヒーにくわえる塩によって味わいも変わる

多くの塩スイーツがあるように、塩のしょっぱさは甘味との相性も良い。飲み物で代表的なところでは「塩キャラメルラテ」がメジャーであろう。キャラメルの濃厚な甘味と香ばしい苦味が塩のしょっぱさによって鮮明に引き立ち、あとをひくおいしさになる。

最近、韓国発祥の「ダルゴナコーヒー」が流行しているのはご存じだろうか。インスタントコーヒーの粉と水、砂糖を同量ずつ合わせたら、ミキサーや泡立て器でひたすら泡立てて濃厚なとろみのある状態にし、コップに入れた牛乳の上に流し込む。上にのせたクリームは強烈に濃厚な甘味と苦味の組み合わせで、そこに牛乳が合わさり、ちょうどいい味わいになる。塩キャラメルラテがあるくらいだから、このダルゴナコーヒーにも塩が非常に合うのではないかと思い立ち、いくつか合いそうな塩を引っ張り出して実験してみたら、やはりそうだった。しかも、塩を変えることでダルゴナコーヒーの味わいにも様々な表情が出て、1杯で何度も違うおいしさを楽しむことができた。

ダルゴナコーヒーと特に相性が良かった塩の中から、今回は2つを紹介しよう。まずは、沖縄県の宮城島で生産されている「ぬちまーす」。特殊な製法で海水を瞬間的に蒸発させているため通常分離してしまうにがり(マグネシウムとカリウムが主体のミネラル溶液)も含んだまま塩になっている。

「ぬちまーす」にはカカオニブやコーヒー豆の苦味に似た苦味があるため、コーヒーやチョコレートに合わせるとうまみが濃厚になる。塩に含まれるナトリウムが少ないため、しょっぱさはまろやかだが、対比作用により甘味も引き立て、全体に濃厚な味わいになる。パウダー状なので、茶こしなどに入れてふるうと、全体をパウダーシュガーのようにお化粧してくれ、見た目も華やかだ。

2つめは、フランスのゲランドで生産されている「ゲランドの塩」。有名な塩なのでスーパーマーケットなどでもよく取り扱いがある。伝統的な入浜式塩田で職人たちが手塩にかけて育てたこの塩は、土壌の影響を受けて薄く灰色に色づいている。スミレの花のようなほのかだが華やかな香りと、やはり乳製品を思わせるあっさりとした甘味が特徴だ。ダルゴナコーヒーに合わせると、まるで上質な洋菓子のような味わいに変化する。

塩はクリームの上に少し散らすような感じでのせると良い。クリームが濃厚なので、沈まずにそのままクリームの上に鎮座しているのを、一緒に口の中に運ぶ。クリームの上の塩がなくなったら、また別の塩をかけて楽しむといった次第である。塩を途中で変えないで1種類だけで楽しむ場合は、クリームの中に最初から混ぜてしまってもよい。上に散らすよりも口当たりがなめらかになる。気分によって混ぜたり、のせたりと楽しみ方を変えてもいい。

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